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TALES OF ULTRAMAN ティガ&トリガー ウルトラの星202X
TALES OF ULTRAMAN ティガ&トリガー ウルトラの星202X
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の辺り、何もないはずの場所で虚空が歪んで波紋のようになった。
「行ってまいります」
怪人がそう言って波紋の中に身を傾けると、ケンゴは即座に悟った。
「まずい、逃げられる」
待て、と声を上げて怪人の体につかみかかり、何とか引っ張り戻そうとするも逆にケンゴは怪人と共に波紋の中へと引っ張り込まれていく。
「あ、こら。よしなさい、よせって」
怪人はケンゴを振りほどこうとするも、すでに遅かった。怪人とケンゴは虚空に?まれたまま、波紋はすうっと消えてしまい、あとにはトランクケースが残されていた。が、それもやがてポン、と音を立てて消えてしまった。
固いアスファルトの上に放り出されて、ケンゴは咄嗟に受け身の姿勢を取りながらなんとか体を打ち付ける衝撃を緩和した。体術訓練のおかげかもしれない。この時ばかりは
日頃テッシンさんにしごかれながら真面目にやっていてよかったと思えた。
ケンゴは辺りを見回すと、先ほどまでいた町に街並みが似ていた。それでもさっきまでいた場所とはビルの並びが少しばかり違っていたし、何よりケンゴは空気の違いに驚いていた。初夏の陽気を受けたアスファルトの匂いが、先ほどより澄んでいるような気がしていた。ここは一体、どこなのだろう?
少し離れた場所でチャリジャが「いてて」とこぼしながらゆっくりと起き上がろうとしていた。ケンゴは手に持っていたガッツスパークレンスをすかさず構えた。
「動くな」
チャリジャにはあまりケンゴの命令が聞こえている様子ではなかった。唸るようなエンジンの音が近づいてきたと思うと、黄色いスポーツカーのような車両が両者のすぐそばまでやってきて停止した。
車のドアが開いて中から出てきたのはまずケンゴと同い年くらいの青年だった。白いレザーで出来たつなぎのような服を身に着けている。一目見た時にケンゴはそれがGUTSーSELECTの隊員服とあまりに似ているので目を見張った。続いて車から出てきたのは青年と同じくらいの年の若い女性でこちらも同じ服を着ている。彼らの胸元のエンブレムがやはりGUTSーSELECTと同じ形をしていることにケンゴはすぐに気が付いた。けれども、そこにあるのはGUTSーSELECTの名前ではなかった。
「――GUTS?」
青年は腰元のホルスターから銃を抜くと、すぐさまチャリジャに向けた。 すぐ傍にいた若い女性も同じように銃を構える。よくみると、これもガッツスパークレンスのガンモードによく似ていた。
青年はチャリジャを見ると、驚きに目を見張りながらつぶやいた。
「お前は確か――チャリジャ」
青年の顔をよく見ると、チャリジャの方も青年に見覚えがあった様子で、「げっ」と声を漏らしてのけぞった。
「お前はいつかの――GUTS隊員」
なんてことだ、とチャリジャは一人で膝をつきながら落胆
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