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TALES OF ULTRAMAN ティガ&トリガー ウルトラの星202X
TALES OF ULTRAMAN ティガ&トリガー ウルトラの星202X
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に買い物途中の主婦。それからジョギング中のおじさん。なんだったら町は平和と言ってもいいくらいだ。裏通りをとぼとぼと歩いていると、PDIの通知音が鳴ったのでケンゴは端末の画面を見た。アキトからでチャップリンの画像や動画をまとめたものを添付したメールだった。
「なんだ、アキト。やっぱり優しいじゃん」
ファイルを開くと、チャップリンの格好を確認した。黒いスーツにステッキ、それから山高帽にもじゃもじゃの髪と髭。なるほど、実際にこんな格好をしていたら目立つよなあ、と考えながらケンゴが辺りを見渡すと、彼の視線は一点にくぎ付けになった。いた。山高帽にツイードの紳士服。ステッキとはいかなくても手にはそれに似たような傘とトランクケース。口元にはカールした髭。画像に出ている小柄な紳士と比べると、随分と恰幅がよく見えた。しかし、
「確かに、『チャップリン』だ」
男はケンゴの前方をがに股ではねるように歩いていた。男が通りを横道に曲がろうとする時にケンゴは声をかけた。
「あの、ちょっといいですか?」
男は振り向くや目を向いて声を上げた。
「げっ、GUTS」
男は即座に走り出す。この世界にはGUTSまでいるのか。
急に走り出した男の様子に、ケンゴは戸惑いながらも後を追った。
「待ってください」
ケンゴの手が男の肩に届いて振り向かせると、白塗りの小太りの紳士の姿はそこにはなかった。代わりに忽然と姿を現したのは、粘土細工の解けたような体を身にまとった、異形の怪人だった。
「お前は一体――?」
すると、怪人はことのほかよく響く声でケンゴに自分の名を告げた。
「私の名はチャリジャ。数ある並行宇宙を股にかけ、怪獣を使役する怪獣バイヤー」
そう言うと、怪人はうやうやしくお辞儀をしてみせた。怪獣バイヤー?と声に出してケンゴが困惑して立ち止まっていると、怪人はケンゴの眼前で手を叩いてからまた走り出した。今時、それも怪人が猫だまし?
「なんか調子狂うなあ」
そんなことを頭の隅で考えながら、ケンゴは怪人を追跡した。先を進むほどに道は細かく入り組んでいく。そのうちにケンゴは怪人をぱたりと見失った。ガッツスパークレンスを銃の形態のまま構え、慎重な足どりで辺りを伺う。古いビルの裏手を回った辺りで、少し先の方で何やらぶつくさと呟く声がする。
「こんなところまでGUTSがいるなんて――しかもウルトラマンまで」
随分遠いところまで来たってのに、と一人で愚痴をこぼしているのは確かにチャリジャの声だった。ビルの陰に隠れて曲がり角の向こうを覗き込むと、怪人は今まで手に持っていたトランクケースを開いて中に仕込まれた機械をいじっている。
「よし、一旦退散しましょう、そうしましょう」
怪人がそう言って一人でうなずきながらボタンを押すとともに、トランクケースの少し上
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