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TALES OF ULTRAMAN  ティガ&トリガー ウルトラの星202X
TALES OF ULTRAMAN  ティガ&トリガー ウルトラの星202X
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しかし、あの別次元のウルトラマン、何ていたっけ。トラジロー?あ、トリガーか。トリガーがいなくなったばかりかあの青年までいなくなるとはなあ」
 ホリイは司令室のデスクで先日のシルバゴンやゴルドラスとの戦いのデータとにらめっこしながら、ぶつくさと漏らしていた。
「ゴルドラスやシルバゴンが次元をかき乱したせいか、もしくは」
 ホリイはそこで言葉を切ってデータから目をそらした。少し重々しい顔つきをしはじめたホリイにダイゴはなるべく気楽な口調で声をかけた。
「ひょっとしたら、何かのきっかけで元いた場所に戻れたのかもしれないですよ。ほら、一緒に消えたはずのティガだって昨日また出てきた訳ですから」
 すると、ホリイはダイゴの方へ急に向き直って言った。
「なあ、ダイゴ。急にこんなこと訊くのもあれやけど、お前、何か悩みとかないか?」
 ダイゴがえ?と訊き返すとホリイはいつになく神妙な顔つきでダイゴに返事を促した。
「どうや、ダイゴ。例えばその――誰にも言えないこととか」
 ホリイの真剣な表情に体に緊張が強張る。それでもダイゴはそれを悟られないように平常の笑顔で答えた。
「何言ってるんですか、ホリイさん。急にどうしちゃったんですか」
 ダイゴがそう答えると、ホリイも我に帰ったように表情を和らげた。
「そうやな、お前、そういうタイプやないもんな」
 そう言うと、ホリイは伸びをしながら席を立つと、
「ああ、腹ペコや。そう言えば、まだ昼食うとらんかった」
 と言って司令室をあとにした。すると今度はすれ違いで二人分のコーヒーを手にしたレナが司令室に入ってきた。
「コーヒー、いるでしょ?」
「お、サンキュー」
 ダイゴがコーヒーを受けとると、レナはすぐ隣に座りながらダイゴが見ていたディスプレイを一緒に覗き込んだ。
「この間の別の世界のウルトラマン君?」
 ディスプレイに映し出されたトリガーの姿を見てレナが言った。レナが彼をウルトラマン君、と呼ぶのでダイゴは思わず笑い出した。
「なんでティガは呼び捨てなのに彼は『ウルトラマン君』なんだよ」
「なんかね、少し若く見えたから」
 それじゃあ、ティガが年寄りみたいじゃんか、とダイゴが漏らすもレナはあまり気にしない様子でダイゴに言った。
「ねえ、あのウルトラマン君、何だかこの間の青年に似てない?ええと、確か名まえは」
 ケンゴ君だよ、とダイゴが答えるとレナがあ、そうそうと笑う。
「ひょっとしたら彼がこのウルトラマンだったりして」
 それはないだろお、と笑って答えながらダイゴは平静を保つのに苦労した。なんだって皆、今日は変なことばかり言うんだろう?
「ねえ、もしこの世界でも誰かがティガになって戦ってくれる人がいるとしたらさ」
 レナのその言葉を聞いてダイゴは身を強張らせた。レナの言葉を待ってい
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