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TALES OF ULTRAMAN  ティガ&トリガー ウルトラの星202X
TALES OF ULTRAMAN  ティガ&トリガー ウルトラの星202X
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変わったトリガーが怪獣を追って飛び立つと、はるか上空でデザストロはまるでトリガーを待ち構えていたように制止していた。トリガーを浮遊したまま制止し、相手の様子を伺おうとすると、今まで広げていた扇状の羽根ばらけてが矢のように放たれ、トリガーに命中した。地面に落下したトリガーは何とか立ち上がってマルチタイプへチェンジをすると、上空から再び迫ってくるデザストロを迎え撃とうと構えた。が、胸のカラータイマーが甲高い音で警告を発し赤く点滅を始める。
 カラータイマーが点滅するとともに動きが鈍重になっていくトリガーを、どこからかせせら笑う声が響いた。
「別の世界であれほどの戦いを終えたばかりだ。もはやお前にエネルギーは残っていまい」
 チャリジャの邪悪な声が非情にもデザストロに最後の命令を下す。
「やれ、とどめだ」

「このままじゃ、ケンゴが」
 司令室のモニターで戦いを見守っていたユナが祈るように手を組んだ。その時、太古から受け継がれてきた地球星警備団隊長ユザレの残した指輪が輝きを帯び始めたことに気が付き、隊員たちは息を呑んだ。
「一体、何が――」
 タツミ隊長が声を漏らした。ユナは戸惑いながら、アキトの顔を伺う、すると、アキトもはじめ驚きで呆気にとられていたものの、固い表情でユナにうなずいてみせた。
「お願い、ケンゴを、トリガーを救って」
 その時、指輪から光が放たれた。ナースデッセイ号から伸びて空の一点を指したその光は時空を越え、その時遥か彼方の宇宙とその世界をつなぎ始めたのだった。

 デザストロの口が禍々しく発光すると、トリガーは何とか来る攻撃を回避しようとした。が、エネルギーを消耗しすぎて体が動かない。あの攻撃をまともに受けた時、自分の体は持ちこたえられるだろうか?
 ついにデザストロの口から光線が放たれたその時、光線を阻む何かがトリガーの眼前に現れた。
「――赤い球?」
 宙に浮いたその赤い浮遊物は怪獣やウルトラマンをすっぽりと包み込むほどの大きさだった。しばらく制止していたと思うと、浮遊物は軽々と飛び立ち、素早くデザストロに向かっていく。何度かの激突を受けてデザストロは少しばかり後退した。
「まさか、あれは」
 このパターンは駄目だ、とチャリジャが情けない声を上げるのが聞こえるのと同時に、赤い浮遊物はトリガーとデザストロの前に再び立ちはだかり、一際強い光を放った。

 司令室でモニターを見ていたアキトは、浮遊物が放った光が徐々に実体をとるのを確認すると、声を吸うように息を呑み、それからつぶやいた。
「――新しいウルトラマン?」

 姿を現したその背中は銀色の体に赤いラインが走り、腰に手をあてて仁王立ちをしていた。その姿に、ケンゴはダイゴが話していた過去の世界で出会ったもう一人の光の超人の話を思い出していた。そして
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