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TALES OF ULTRAMAN  ティガ&トリガー ウルトラの星202X
TALES OF ULTRAMAN  ティガ&トリガー ウルトラの星202X
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いつは手なずけるには苦労しそうだ、とチャリジャは見て取ったが、これは大きな問題ではなかったようだ。すぐに喜びに体を振るわせると、踊りださんばかりの足どりを弾ませて怪獣たちに駆け寄った。
「――シルバゴン」
 チャリジャは銀色の怪獣に呼びかけた。それから、
「――ゴルドラス」
 今度は金色の怪獣の方へと呼び掛けた。このまますぐにでも手なずけて地球侵略を狙う宇宙人や宇宙戦争中の星々にこいつらを売りつけてやろう。いや確か、どこかの世界でウルトラマン相手に暴れまわっているアブソリューティアンとかいう金ぴかの奴らもいた。そいつら相手に商売をしてもいいかもしれない。いや、まずはデモストレーションだ。各地で暴れまわってこいつらのすごさを商売相手に知ってもらわねばならない。
 いや、それよりもさらに大きなアイディアがチャリジャの頭の中で電撃が走るように閃いた。今、目の前にいる二体の怪獣。こいつらは次元に作用する力を持っている。こいつらをもってすれば、一つの世界の歴史ですらも変えうることが出来るかもしれない。頭の中には憎きウルトラマンどもの姿が浮かび、そしてついこの間大敗を喫したあの場所、竜が森湖が思い返された。
「ようし、大いに暴れまわろうぞ」
 チャリジャの言葉のすぐあとに二体の怪獣が咆哮を上げた。それが自分の言葉に呼応したように思えて、チャリジャは怪人の姿に戻りながら気をよくして高笑いをした。

「うわあ、すごいなあ」
 ダイブハンガーのテラスで、欄干を握りしめながら視界一杯に広がる海を眺めてケンゴは楽しそうに声を漏らした。そこへテラスの屋台でジュースを買ってきたダイゴがトレーにを持ってやってきた。
「はいこれ、喉乾いたかな、と思って」
 ありがとうございます、と子供のようにはしゃいでジュースを手に取るケンゴに、ダイゴは訊いてみた。
「君のいるGUTSはどんな場所なのかな」
 すると、ケンゴはナースデッセイ号っていう基地があって、と話し始めた。
「いつも空に浮かんでいるんですけどね、いざとなるとバトルモードって言って基地が変形して何だろう、蛇?ドラゴンみたいな形で空を飛んで」
 そこまで話すとケンゴはしまった、とばかりに口に手を当てた。
「あんまり基地の秘密を人に喋るなって念を押されてるんだった」
 アキトに怒られる、とこぼすケンゴをよそに、ダイゴは空飛ぶ基地の話のあたりから目が回りそうな心地がしていた。
「空飛ぶ基地か、すごいなあ。もしかして君のいる世界では人間は宇宙まで行っていたりするのかな」
 ダイゴがふとこぼすと、ケンゴが思い出したように答えた。
「僕、火星育ちですよ」
 本当に?ダイゴが思わず大きな声を上げたので、テラスにいた他の職員の何人かがこちらを向いた。ダイゴは苦笑いして周りに頭を下げながら再びケンゴの方へ向き
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