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TALES OF ULTRAMAN ティガ&トリガー ウルトラの星202X
TALES OF ULTRAMAN ティガ&トリガー ウルトラの星202X
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今なら限定メニューで『冷やしラーメン』もあるし」
「え、『冷やしラーメン』?」
冷やし中華じゃなくて?虚を突かれたように訊いてきた青年の表情に、やはりダイゴはどこか自分にも似ている、と感じ始めた。
「おのれ、GUTSめ」
町中を離れ、いつの間にか郊外の山の中までくると、チャリジャの足取りはもはや千鳥足になっていた。とうとう町を外れてこんな山の中まで来てしまった。チャリジャは途方に暮れて溜息をついた。
この格好が目立つせいか、町中ではどこへいっても市民に怪しまれた。おそらく、TPCには今頃何件もの通報が寄せられていることだろう。それを考えると、自分の運の悪さというか、間の悪さというべきか、とにかく手にしているトランクケースの重さにまで腹が立ってくる。まだ日の高い時間だというのに、山の中は薄暗くておまけにあちこちでがさがさという物音がした。近くでがさがさと音がする度にチャリジャは情けない声をだしながら身じろぎをした。怪獣バイヤーでありながらも、彼は動物が実のところ苦手であった。彼らは私の持っている悪意にいち早く気づき攻撃をしかけてくるのだ。
そうしてひたすら歩いていると、いつの間にか林を抜けて山々の間の開けた場所に出た。見渡す先は田舎道ではあるが道路が走っており、チャリジャは皮肉にも人間社会の片りんが見えたことで一安心しつつ、これまで森の中で我慢していた分悪態を吐き散らした。道路は平野を抜けてまた山へと登っていく。しかし、車はなかなか通らない。仕方がない。街はずれの山の向こうの田舎道だ。人間たちのいうところの「レジャー」に行くにしたって、それほど魅力的な風景が近くにあるとは思えなかった、が、それを別にしても辺りは異様なまでに静かだった。最初は気を抜いていたチャリジャもその異様差に気が付いていた。
その時、にわかに地面が揺れてチャリジャは不意を突かれたせいか、その場に尻もちをついた。地面を強くうつ振動と共に、少し先に見える山の影からそれが姿を現した。銀色の固い表皮に覆われた体のそこかしこを禍々しい赤い血潮のようなラインが流れ、頭部には羊のような巻かれた角が見える。それだけでも怖ろしい姿であるというのに、極めつけは瞳のない目だ。光輝く黄色い目は狂気以外の一切を取り払ったように見えた。
「おお、おお――」
チャリジャは姿を現した怪獣の姿におののきながらも同時に歓喜していた。これぞ、自分の探し求めていた「怪獣」。相棒ヤナカーギーを失った喪失感を埋めるにふさわしい、最強の怪獣だ。しかし、そこからさらに別の何かがやってきて、地面を揺るがした。
銀色の怪獣に連なるようにやってきたのは、金色の体を持つ怪獣だった。こちらは銀色の怪獣とは違って目の中に瞳が見えているものの、決してそれは可愛いものではなく藪睨みの目はかえって凶暴さを宿していた。こ
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