第四章
[8]前話
「横浜に勝ってなの」
「当たり前だろ、五ゲーム位はな」
それ位の差はというのだ。
「まだひっくり返せるからな」
「もう九月に入るのに」
「これからだ、だからな」
それでと言うのだった。
「カープは精々三位でいろ」
「二位じゃなくて」
「そうだ、それは許してやるからな」
「そう言うのね」
「もう甲子園も使えるんだ」
兄はこのことも話した。
「高校野球が終わってな」
「それも強みって言うのね」
「ああ、地獄のロードも終わったしな」
高校野球の間本拠地が使えないで遠征ばかりで疲労が蓄積するので言われていることだ。
「それじゃあな」
「これからなの」
「阪神連勝だ、そしてな」
「二位なのね」
「今シーズンもう一度奇跡を起こすぞ」
「あの前半から借金完済してまだなのね」
「ああ、やってやるぞ」
寿は妹にカルピスソーダを飲みつつ言った。
「阪神の雄姿を見ろよ」
「その前向きさに驚いたわ」
千佳は強く言う兄に呆れた顔で述べた。
「私ですら三位なのに」
「そんなつもりで勝てるか、一位は無理でもな」
それでもというのだ。
「二位はいけるぞ」
「一位は無理ね」
「ちょっとな」
寿はヤクルトについては妹から視線を逸らし苦々し気に述べた。
「今年は手がつけられないな」
「そうよね」
「だから一位はな」
どうしてもというのだ。
「無理だからな」
「それでなのね」
「ああ、二位だ」
「それを目指すのね」
「そうするな」
「そうなのね、じゃあ今度の甲子園でのカープとの三連戦精々頑張るのね」
「お前はカープの三連敗を見ることになるぞ」
妹に視線を戻し不敵な笑みを浮かべて告げた。
「今から気を落とすなと言っておくな」
「その言葉フラグ?」
「違う、予言だ」
「そうなのね、じゃあ甲子園でね」
「一塁側と三塁側でそれぞれな」
贔屓のチームを応援しようと話してだった。
寿はまたカルピスソーダを飲んだ、千佳も自分のコップを出してそれを飲んだ。そのうえで次の三連戦の話をさらにするのだった。
横浜が急に 完
2022・8・29
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