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ボロディンJr奮戦記〜ある銀河の戦いの記録〜
第78話 作戦と事業
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昼過ぎまで寝続けるという自堕落で非生産的な日常で潰した。既に士官学校を卒業してから五年と半年。『同窓会名簿』の名前が次々と赤くなっていく現実に、みな溜息と愚痴と酒の量が加速度的に多くなっている。

 アイツは嫌いだったが死んでいい奴じゃなかった、とか、アイツ結婚して二週間後の出撃で死んじまった、しかも若奥さん身重なんだぜ、と、ろくでもない話ばかり。二五歳とはちょうど結婚適齢期が始まるのは前世から相当時間が経ったこの世界でも変わらない。同期の女性士官が産休や一時休を取り始めるのも、統計上否定しえない事実だ。だから集まる面子は浮いた話がない奴らばかり。

 そんな感じに全く休めたような休めてないような日々は一一月八日に終わり、俺は再び第四四高速機動集団司令部に出勤すると、いつも通りの面々がいつも通りに出勤していた。ただしファイフェルだけ顔に隠せないウキウキ感がある。

「そういうわけで貴官らには宿題じゃ」

 これから休暇に入る爺様は、居残り組となるモンシャルマン参謀長とモンティージャ中佐と俺に、ファイフェルを通じてペーパーを配った。数分後に再びファイフェルの手元に戻ったそれには、やはりろくでもないことが書いてあった。

「読んでの通りじゃ。来年二月を期して、帝国前面星域における軍事活動に当部隊が参加することになった。出動するのはシトレ中将の第八艦隊と儂ら第四四高速機動集団。それに第三五三・第三五九・第三六一独立機動部隊と第四一二広域巡察部隊。総計一万七〇〇〇といったところじゃ」

 主要戦略目標は、ダゴン星域における同盟勢力圏優勢の確保と、エル・ファシル住民帰還事業の援護。戦術目標は惑星カプチェランカの全土制圧、同周辺星系からの敵戦力の掃討、ティアマト星域へ繋がる各星系への哨戒網構築、エル・ファシル星域外縁部およびアスターテ星域における敵戦力の充足状況の確認である。

「……獣道を踏み均すのは我々の仕事になりそうですな」

 モンシャルマン参謀長は溜息を吐きつつ首を振る。第四七高速機動集団が四つの独立機動部隊に変わったというところで、特に『作戦立案者の意図』が変わったわけではないだろう。最初からババ引きだったのは変わらないというところか。

 しかしエル・ファシルを奪回した第四四高速機動集団が再びエル・ファシルの住民を護衛して当地に赴くというのは、政府が雰囲気づくりを企図しているものだとは理解できる。今度はしっかりと護りますよアピールは、政権支持率に直結する。恐らくはこの作戦全般における表の顔となるのは住民帰還事業になるだろう。それは第四四高速機動集団が対外的な注目を集める『盾』となる。

 逆に遠征軍主力となる第八艦隊は目立たず他の四個独立部隊を率いてエルゴン星域からダゴン星域へ直行する。これによってダゴンだけでなくア
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