令呪オークション その4
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かろうというもの。
こういう人たちの努力でこの国の霊的ものは守らているのだった。
「で、移した令呪は使えます?」
「使おうと思えば使えますが、止めた方がいいと思いますよ」
私の質問に安倍さんはおっとりした声で否定する。
理由はと私が聞く前に理由を口にした。
「これが呪いの類だからですよ。
呪いは必ず己に返ってきます。
逆凪対策もせずに、願いを祈るなんて恐ろしい事をしたいですか?」
同時に首を横に振る私と姉弟子様。
あくまで西洋魔術の術式でそのあたりをごまかしているが本質は変わらない訳で。
過去の聖杯戦争の失敗もこのあたりがあるのかもしれないなとなんとなく思っていたら、この屋敷の備え付けの電話が鳴る。
安倍さんが私たちに聞こえるようにして受話器を取ると、知らない男の人の声が流れてきた。
「安倍の旦那。
相変わらずのんびり茶でもすすっているのかい?」
「そんな所ですよ。
久しく見ませんでしたが、元気そうでなりよりですよ。
獅子劫界離さん」
私はオークション参加者の資料を思い出す。
たしか彼はこの国に流れてきた魔術師で死霊魔術を使っていた。
だったら、この国の京都がとういう場所であり、安倍さんの家系が何処に繋がっているか分かるだろうから……ん?
久しく……この二人知り合いかよ!?
「昔話は後にして本題に入ろう。
あんたの所に来ている令呪を買い取りたい。
十億で」
安倍さんは私の方を見るが、私は即座に首を横に振った。
そのままペンを取り、書いたものを安倍さんに見せる。
「残念ですが、もう令呪は使えないようにしてしまった後なんですよ。
まだマスターは四人までしか埋まっていません。
冬木に行って召喚の儀式を行った方が早いですよ」
「……そうか。
邪魔したな。
この仕事が終わったらそっちに寄るから、茶でも飲みつつ話でもしようや」
電話が切れる。
ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトみたいに突っ込んでくるかと怯えたのだが、傭兵らしい慎重さでこちらを敵に回す事は避けたらしい。
彼が聖杯戦争に参加するのならばその勝利こそが目的であって、私たちみたいなその周辺で後始末に奔走している表の人間を敵に回すなんて余裕はないだろうからだ。
六導玲霞の髪の毛と血を編み込んだ身代わり人形に令呪が移り、その令呪ごと護摩の火の中にくべられて煙となってゆく。
(……なんや。つまらんなぁ。
久しぶりに遊べるとおもったんに……)
そんな声が私に耳に届いたような気がしたが、気のせいと思う事にした。
東京に帰った私たちに、言峰綺麗から遠坂凛がサーヴァントを召喚した事が留守電に入っていた事を
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