第9章 解散編
第44話 爾後
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アレンのフェアリーテイル脱退と、フェアリーテイル解散の報が各所に伝わっていた頃。アレンは、評議院を去った後、フィオーレ王国の首都であるクロッカスへと赴いていた。まだ評議院や王国など、重要な関係各所にのみ先の情報が伝達されていないこともあり、街ゆく人々がアレンの姿を見せ、いつもとは違う反応を見せることはなかった。アレンは首都の住民たちから掛けられる声に優しく丁寧に返しながら、クロッカスの中心部にある王宮へと歩みを進めていた。アレンの姿を見た衛兵は、少しの驚きを見せた後、アレンから用を聞くと、足早に王宮内へと駆けていき、その後すぐに入城を許された。
アレンが衛兵に案内される形で玉座の間に姿を現すと、ヒスイ王女とトーマ国王が玉座の椅子に腰かけ、その横に桜花聖騎士団長のアルカディオス、防衛大臣のダートンが控えていた。アレンは見慣れたそんな様子に表情を変えず、ヒスイ達の前に移動すると、片膝を着いて座り込む。
「急な訪問、ご容赦ください」
「来ていただけて、とても嬉しいですわ…。どうか楽になさってくださいませ…アレン様」アレンが一言そう発すると、ヒスイは顔を少し赤らめて返答した。ヒスイの言葉通り、ゆっくりと立ち上がると、国王であるトーマが口を開く。
「して、今日は一体どのようなご用件で?」
「はい、お伝えしたいことがあり、参上いたしました」
アレンの言葉に、一瞬怪訝な様子を見せるヒスイ達であったが、アレンから発せられた言葉に、驚きを見せる。アレンがヒスイ達に話したのは以下の通りであった。
・三天黒龍の内、アクノロギアとアルバトリオンが復活を果たしたこと。この2体に関しては、人類に対して明確な敵意があり、世界の秩序にただならぬ影響を及ぼすこと。そしてそして、そんな黒龍達との戦いにフェアリーテイルを巻き込みたくはないこと。故に自身のみで討伐に当たり、それに際してフェアリーテイルを脱退したこと。
・ウルキオラという破面に虚の力を強制的に植え付けられ、抑え込めてはいるが、自身の意思や体力が消耗している際にはいつ暴走するかわからないこと。故にそれを制御できるように修行を積みたいこと。先の話にも被るが、もし暴走状態となった場合に、やはりフェアリーテイルや仲間、罪なき人々を巻き込みたくないこと。
・アルバレス帝国との緊張が高まり、剰えそのアルバレスがフェアリーテイルの最高機密である『妖精の心臓』を狙っていること。そして、アルバレス帝国とこのイシュガル、引いてはフィオーレ王国が戦争になれば、厳しい戦いになること。
その話のどれもがヒスイ達を驚かせるものであったが、その話を聞き及んだあと、ヒスイはゆっくりと目を閉じた。そして、意を決したように声を発する。
「アレンさんのギルド脱退の報は、私達の耳にも入っております。…そして、フェアリーテイル解散についても…」
「…
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