第9章 解散編
第44話 爾後
[3/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
見せますわ…フィオーレ一族の名にかけて!♪」
そんなアレンの言葉を意に介さず、ヒスイは小さく笑ったかと思うと、嬉しそうにアレンへと声を掛けた。
王国訪問に際し、今後の自身の動きなどを伝えたアレンは、ヒスイ王女からのまさかの告白に、考え込むようにして王宮を後にした。『ドラゴンレイド』終結後に、エルザ達が予測していたことが当たっていたという事実を知り、驚きを隠せなかった。アレン自身も、先の謁見でヒスイのただならぬ強い意志と思いを感じ取り、生半可な返事はできないと感じていた。
そんな風にして暫く考え込んでいたアレンだが、程度の良いところでその思考を止めると、クロッカスの宿で一泊し、少々遠方へ出向く決意を固め、準備を進めることにした。
『イシュガル』には、フェアリーテイルを含め、約500のギルドが存在する。それに対して、西の大陸『アラキタシア』では正規・闇合わせて730の魔導士ギルドがあった。その730全てのギルドを統一して、一つの巨大な帝国を作ったのが超軍事魔法帝国アルバレスである。
そんなアルバレス帝国には、『スプリガン』と呼ばれる皇帝が存在し、その皇帝を守るための精鋭部隊、『スプリガン12』という12人の超人離れした魔導士がいた。驚くべきことに、この12名は、イシュガルの四天王と同等かそれ以上の力を有しているとのうわさもある。そんなスプリガン12であるが、アラキタシアの土地が広いせいもあり、全員が一堂に会することは滅多にないという。しかし、今日この日に限っては、1か月前からの、それも皇帝からの直々の命令ということもあり、12名全員が首都『ヴィスタリオン』の皇城の一室に一堂に会していた。そんなスプリガン12を眼下に置きながら、黒い服に身を包んだ一人の男が口を開く。
「まさかスプリガン12が全員集まってくれるとは思わなかったよ…」
「陛下の命とあらば、我らはいついかなる時でも参上致します」
皇帝の言葉に、スプリガン12が一人、冬将軍の異名をもつインベルは淡々と言葉を発する。
「相変わらずお堅いやつだねー、インベル!」
「…今回の招集は事前に組まれていたもの…集まるのは当然です」
砂漠王アジィールと国墜としのブランディッシュがそれぞれに口を発する。
「そうだね…、今回の招集の意味は、もう皆理解しているね?」
そんなスプリガン12の言葉を受け、皇帝は微笑を漏らすながら口を開く。
「イシュガルの殲滅…そして妖精の心臓の奪取…」
白いひげを長く携えた魔導王オーガストが小さく呟く。
「それだけじゃないわ…三天黒龍の殲滅も、此度の作戦の一つ…」
大きなとんがり帽子から緋色の長い三つ編みを覗かせる緋色の絶望と言われるアイリーンが吐息を漏らしながら声を上げた。
「そうだね…、でもまずは、妖精の心臓を得ないことには三天黒龍と戦うのは無理だ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ