第二章
[8]前話
「子供だとな」
「そうしますね」
「それがな」
「ああして育てるなんて」
「珍しいな、ライオンの母親は母性本能が強いからな」
チャクラバルティはこのことに言及した。
「それでか」
「豹の子供も育てていますか」
「本能を超えてな」
「そうしていますか」
「あの豹の子供は親とはぐれたんだろうな」
その豹の子供についても言った。
「そしてそこをな」
「あの雌ライオンに拾われて」
「そうしてな」
そのうえでというのだ。
「育てられているのかもな」
「そうなんですね」
「少し観ていくか」
チャクラバルティは真剣な顔で言った。
「あの親子を」
「そうしていきますか」
「どうなるかな」
こう話してだった。
二人でライオンの親子と豹の子供を観ていった、すると豹はライオンに育てられてすくすくと大きくなっていった。
「ガウ」
「ガウガウ」
「ガウウ」
「ガウッ」
ライオン達と共に成長していき。
何時しか独り立ち出来る大きさになるとだった。
ライオンの一家から離れ豹らしく生きた、二人はそこまで観て話した。
「こんなこともあるなんてな」
「驚きですね」
「その生きものの本能を超えて育てる」
「そんなこともあるんですね」
「ああ」
チャクラバルティはハイデルネッケンに話した。
「実際にな」
「このことを報告しましょう」
「是非な」
こう話してだった。
二人は実際にこのことを論文にもして発表した、ライオンの習性を知る誰もがこの話に驚いた。だがこのことは事実であり。
ライオンの親子は今もそこにあり成長した豹もいる、インドの自然公園の話である。
インドのライオンの娘 完
２０２２・８・２６
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