やっぱり僕は歌が好き 第五楽章「新たなステージへ送り出す者達」
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ち、目の前のいけ好かない男を待っている。
宮仕えも大変ね。
少しして書類作業を一段落付けると、思い出したかの様に顔を上げて宮廷画家達を眺め見る。
一々イラつく野郎ね。
何でここの人間はコイツの下で働いてられるのかしら?
そして先程までの経緯(あの女が姫君である事は除く)を説明し、「同じ学校の者同士なんだから、お前等も協力して何か催し物を考えろ」
そう言って手で払う様に私らを追い出そうとする。だが……
宮廷画家の一人……背の低い女の子が、満面の笑みで目の前の上司に両手のひらを上に差し出す。
それを見て上司殿は「……何だ、手相占いして欲しいのか? そうだな、お前男運最悪。ボロボロにされて捨てられろ」とクズ発言。
「違ーよ馬ー鹿! 面識の無い奴と何かやれって言うんだから、まずは打ち解けやすい様にお茶でも飲みながら雑談が定石でしょ! カフェでお茶飲みながらアンタの陰口言うから、経費出しなさいよ!」
私この娘……好き!
「ふざけんな馬鹿! お前等が通う学校行事は、公務じゃぁねーだろ! 経費なんか出せるか、馬鹿、アホ、貧乳!」
取り敢えず殴ろうとしたら、それを遮るかの様にピエが前に出て両手のひらを差し出した。
「ポップスミュージックを広める一環として、マリー&ピエッサの一人である私が活動します。つきましてはその為の遊行費を経費としてお願いしますわ」
おや、以外にやるわねアンタも。
「くっそ……あのオッサンに悪知恵授かりやがって」
“あのオッサン”?
まさか陛下の事じゃ無いだろうな……そうだとしたらぶっ殺すわよ!
「何で俺ばっかり金を出さなきゃならないんだ……」
そう呟く様に言いながら懐から財布を取り出し、ピエッサの差し出してる手の平に50G札を一枚置いた。
だが「お前本物の馬鹿か!? 私ら5人居るのよ。一人10Gで何が出来る? ケチケチしてんじゃ無いわよ甲斐性無し」と先程の娘が!
良いわ、この娘。
因みに少し離れたところに居る部下の女性が、彼女に呼応して「甲斐性無し」と呟くと、執務室内の部下さん連中からもボソボソと「甲斐性無し」と……
なるほど……だからコイツの下でも働いてられるのね。
「ムカつくなお前等全員!」
そう言いながら再び財布から100G札を取り出して、ピエの手の平に置こうとすると、すかさず先刻の娘が100G札と50G札を掴み取り「はぁ〜い、合計150Gの経費を頂きましたぁ〜? あざぁ〜っす」と、先の50G札までも奪い取る。ステキ?
「え、あ……ちょ……違……」
「お、なんだ? 甲斐性無し発動かぁ?」
|甲斐性無し野
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