第9章 解散編
第43話 解散
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「「死ぬなよ…ッ!」」
2人は一呼吸置いた後、全く同じタイミングで、同じセリフを吐いて見せた。
マカロフとアレンが会合を終え、互いの今後の動きなどを伝えていると、ギルドの地下に見知らぬ男が入ってくる。評議院の格好をしたその青年の姿に、アレンは怪訝な表情を浮かべるが、マカロフが事の経緯を話す。その男の名前はメストと言い、フェアリーテイルと評議院の二重スパイを請け負っていたとのことであった。先のアルバレス帝国が妖精の心臓を狙っているという情報も、メストから齎されたものであった。
「…なるほど、つまり自身の記憶操作の魔法で3年間もの間、評議院にまぎれこんでいたというわけか…」
「ええ、そういうことです…アレンさん」
アレンはメストから齎された情報を噛みしめるようにして聞いていた。そしてあることに気付く。
「…んで、自分の記憶も消したもんだから、評議院に潜入していたはずが、天狼島の昇格試験時に、フェアリーテイルに潜入するに至ったってわけか…ちょっとアホだな…」
「…それは本当に自分でも実感している…」
アレンの言葉に、メストは情けない様子を見せる。だが、それはすぐに真剣な面持ちとなる。
「…マスターもアレンさんも、本気なんですね?」
「…西の大陸アルバレス、そして三天黒龍…あまりにも危険すぎる…」
メストの言葉に、マカロフは淡々と答える。
「マスターはアルバレス帝国への交渉へ…そして俺は三天黒龍を斃しに行く…」
アレンも同様に言葉を発するが、メスト表情は更に曇ることになる。
「無茶ですよ…マスター、アレンさん…。一人の人間が国を、三天黒龍を相手にするなんて…死にに行くようなものです…ッ!」
メストは恩人であるマカロフと、直接の関りがあったわけではないが、英雄と称されるアレンの決断に、涙を流し感情を露にする。
「「家族の命を背負ってんだ…!それが、親ってもんだろう…」」
意図せずに同じ言葉を放った2人に、メストは大きく目を見開く。そして、その目をゆっくりと閉じる。
「…わかりました…。それならもう何も言いません…」
そんなメストの様子に、マカロフはゆっくりと口を開いた。
「メストよ…アルバレスの、三天黒龍の脅威が去れば…わしらは必ずここへ戻ってくる…」
「…だから、その時はまた、フェアリーテイルを一緒に立ち上げよう…」
マカロフの言葉に、アレンも続けて声を発する。アレンはメストの肩に手を添えると、微笑して見せた。
「ッ!わかりました。必ず、必ず戻ってきてください…。マスター、アレンさん!」
メストは力強くそう答えた。そしてその後暫くして、アレンが思い出したように言葉を発した。
「…そうだ…、メスト、お前に頼みたいことがあるんだ」
アレンの頼みを聞いたメストは、少し驚いた様子を見せる。マカロフも同様だったようだが、メ
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