第72話 キャプテン・リード
[5/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
て息が吸える。
「弟弟子君、さっきの奴を知ってるの?」
「俺達を襲ってきた化け物です。姉弟子は気を失っていたから見ていなかったんですよ」
「そうなんだ、あんなヤバそうな奴がいるなら気を付けて進まないとね」
「ええ、見つかったらおしまいです」
息継ぎをしながら姉弟子にさっきの魔獣について答える。この水中で見つかったら奴には勝てない、とにかくまずは陸に上がらないと。
そして水中に戻って先を進む。何とか奴に見つからずに進めているな。
(ん?あれは……光?)
水中に光が差し込んでいた、つまり外に出たのかもしれない。
(姉弟子、あと少しです)
俺は合図を送ると姉弟子も外が近い事に気が付いたのかコクリと頷いた。だがその時再び激しい衝撃と共に魚型の魔獣が現れた。
(クソっ、見つかったか!)
俺達は必至で泳ぐがやはり向こうの方が早くこのままでは追いつかれてしまう。
魔獣が姉弟子に噛みつこうとする、それを見た俺は鬼の力を解放して割り込んだ。
(弟弟子君!?)
姉弟子を庇った俺は魚型の魔獣の口に挟まれた。幸い噛まれる前に両手と両足でつっかえることが出来たがこのままではいずれ力負けするだろう。
(このまま食われてたまるか!)
俺は太刀を抜いて魚型の魔獣の目に突き刺した。だが魔獣は怯んだが俺を離そうとはしない、凄い執念だ……!
(弟弟子君、今助けるよ!)
(姉弟子!?)
なんと魔獣の体に剣を刺して姉弟子も付いてきていた。姉弟子は魔獣の体を剣を使ってよじ登っていく。
そして魔獣の顔に到着すると剣を構えて反対の目に突き刺した。
これにはさすがに耐えられなかったのか魔獣はのたうち回って壁に激突した。同時に俺も放り出されるがそこに倒れてきた魔獣の体によって足を挟まれてしまった。
(くそっ、早くどかさないと!)
魔獣の体を動かそうとするが酸素がそろそろ切れそうで力が出ない、このままじゃ窒息してしまう!
すると姉弟子がこっちに泳いでくる。
(姉弟子!貴方だって酸素がもう持たないはずです!先に上がってください!)
俺はそう合図をするが姉弟子は首を横に振って俺の側まで来た。
(弟弟子君、今助けるからね!)
姉弟子は俺の側に来るとなんと俺にキスをしてきた。すると俺の肺に空気が流れこんでくる。
(姉弟子は俺に空気を渡しに来たのか!でもそんなことをしたら……!)
俺に酸素をくれた姉弟子はニコッと笑うと意識を失った。俺は再び鬼の力を発動させると魔獣の体をどかして姉弟子を抱えて急いで浮上する。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ