第72話 キャプテン・リード
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姉弟子が光破斬で砕く、といった風にお互い助け合いながら先を目指す。
「えへへ、こんな状況なのに何だか楽しくなって来ちゃった」
「どうしてですか?」
「だってこんな風に一緒に助け合って冒険するの初めてだから。エステルちゃんが来るまではみんな先輩ばっかりだったし私は迷惑ばっかりかけちゃってたからさ。弟弟子君に頼ってもらえるのが嬉しいんだ」
そうか、姉弟子は今まで対等な存在がいなかったんだな。
同門である兄弟子のカシウスさんとアリオスさんは格上過ぎて雲の上の存在だし、エステルが遊撃士になるまでは姉弟子が一番の後輩だったんだろう。
「俺は姉弟子を頼りにしてますよ。なにせ初めての姉弟子ですから」
「ふふっ、なら弟弟子君の期待に応えないとね」
俺もフィーが現れるまでは西風の旅団の皆に守られてきた、でも守られるだけじゃなく頼りにされたかったんだ。
だから姉弟子の気持ちはわかるよ、頼られるのは嬉しいからな。
「うわわ!?なにこれ!?」
すると俺達がいた足場が急に崩れはじめた、恐らく元凶の仕業だろう。
「でもここは俺に任せてもらいますよ!だって俺も姉弟子に頼りにされたいですから!」
俺は鬼の力を使い姉弟子をお姫様抱っこする。そして崩れる足場を一気に駆け抜けていく。
「はぁぁぁぁっ!!」
そのまま足場の先にあった遺跡のような場所にジャンプする。
ふう、何とかなったな。
「あはは、弟弟子君張り切り過ぎだよー。でもかっこよかったよ」
「ちょっとカッコつけすぎましたね」
姉弟子を下ろしてハイタッチをする。
「ん……?」
「また地震?」
だが安心する間もなく地震が再び起こる。すると上から大量の水が流れてきて俺達を押し流した。
「きゃあああっ!?」
「姉弟子!掴まってください!」
俺は姉弟子と離れないように何とか彼女の手を掴んで抱き寄せた。そのまま流されていき水中に放り込まれる。
(姉弟子!大丈夫ですか!?)
俺は姉弟子に合図をすると彼女はコクリと頷いた、どうやらさっきのように気を失っていないようだな。
だがここは穴の中らしく水面が無いようだ、このままだと溺れてしまう。
俺は姉弟子を連れて水中を進む、早く息が出来るところを探さないと!
だがその時だった。激しい衝撃と共に壁を突き破って何かが現れた。
(あれはさっきの魚型の魔獣!?ここに来ていたのか!)
現れたのはさっき俺達に襲い掛かってきた魚型の魔獣だった。幸い俺達には気が付いていないようでしかもありがたいことに奴の空けた穴が丁度空洞になっ
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