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天体観測のスポット
第二章

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「俺立花さんに言うからな」
「ああ、今日か」
「遂に告白するんだな」
「そうするんだな」
「だからな」
 それでというのだ。
「二人きりにしてくれよ」
「じゃあ俺達は別の場所で星観るから」
「お前は立花さんと二人で観ろよ」
「それで決めろよ」
「そうするな」
 こう答えてだった。
 大本は現場に行くとだった。
 気を利かせて他の場所に向かった他の部員達と別行動になってだった。
 菜桜子と一緒にそのスポットに向かった、そこは彼等が今いる山でもかなり観測に向いている場所だった。
 そこに着いてだ、大本は望遠鏡をセットしつつ菜桜子に話した。
「晴れてよかったよね」
「そうよね、天体観測ってね」
「晴れてないとどうしようもないからね」
「晴れて何よりね」
「全くだよ、じゃあ観ていこう」
 笑顔で話してだった。
 二人で星を観はじめた、そうして。
 星それに星座のことを話してだった。
 いよいよ告白しようとした、だが。
 ここで大本は周りを見た、すると。
 周りに自分達と同じく星を観ているカップル達が何組もいた、そうして楽しく観測してかついちゃいちゃとしていた、それを見てだった。
 大本は告白を思い止まった、二人だけならしようと思ったが周りに大勢いてはそれを聞かれると思ってだ。
 それでこの時はそのまま星を観て次の日部員達に事情を話した。すると彼等は笑って彼にこう言った。
「それは仕方ないな」
「ムードある場所はやっぱり人が集まるからな」
「天体観測でもな」
「それで観るからな」
「カップルで楽しんで」
「それじゃあどうしようもなかったよ」
 大本はやれやれという顔で言った。
「本当にな、だから告白はな」
「また今度か」
「今度告白するんだな」
「あらためて」
「そうするな」
 こう言ってだった。
 大本は今度は菜桜子をプラネタリウムに連れて行った、そしてそこの喫茶店の中で告白した。そうしてようやく交際にまで至った。


天体観測のスポット   完


                   2022・8・21
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