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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第9章 解散編
第42話 翹望
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マグノリアの街がクリスマスに沸いていた日から数日後…。
フィオーレ王国西方の辺境の地に、深く大きな森がある。まるでジャングルのような森の中を突き進んでいくと、一軒の小さな家が見える。その家は、小さいながらも、森の中にあるとは思えないほど精巧な作りをしていた。加えて、その家の周りには、井戸や畑など、これまた丁寧に手入れされているものが見て取れる。恐らく、ここに住む住人は、森でとれる食場や動物含め、自給自足の生活を送っていることが分かる。
そんな人里離れ、森の中にポツンと鎮座する家に、一人の少女と思しき人物が入っていく。その少女は、青いニスデールを羽織っており、身体の殆どを確認することはできない。だが、その背丈から、少女が12歳程度の体格であることがわかる。
少女は、家の中に入ると、青いニスデールを脱ぐことなく、家の中を見回す。そして、奥のソファに寝っ転がる男を見つける。
年のころは40歳ほどの精悍さを見せる人物であった。
その男を視界に捉えると、少女はゆっくりと靴を脱ぎ、男の傍らへと移動する。暫く男が気持ちよさそうに寝ているのを眺めていた。そして、少女はゆっくりその男の口元へ手を下す。と同時に、大声で声を張り上げる。
「すどーーーーーーンッッ!!!!!」
「ゴヘッッッーーーーー!!!!!!!」
その少女は、こともあろうに寝ている男の口の中に、思いっきり手を突っ込む。手を突っ込まれた男は、ガバッと飛び上がり思いっきりむせて見せる。
「おっす。今帰ったよ」
「ゴホッ!ゴホッ!!」
男に帰宅を報告する少女であったが、男はそんな状況ではないとばかり咳き込んでいる。
「ゴホッ…お前は普通に起こせねえのか…」
「昼間っから寝てるあんたが悪いんでしょうが」
男は涙を目に浮かばながら、少女へと視線を向ける、そして、家の中だというのにニスデールを深く被っている姿を見て目を細める。
「家の中なんだから、そのコート、脱いだらどうだ…」
「ああ、そういや忘れてたわ…」
男の声を聴き、少女は思い出したようにニスデールに手を掛けてガバッとそれを剥がす。
ニスデールがはがれると、見立て通り、年端の行かぬ少女であることが見て取れる。ウェンディと同じくらいの身長と胸。薄い緑掛かった長めのショートカットに、胸と股を隠すような白い服装。加えて腕と足の大部分を覆うような独立した服が見て取れた。だが、それ以上に、少女が先ほどのニスデールを羽織っていた意味ともとれる箇所が二つほど見て取れる。
丁度鳩尾の部分にぽっかりとあいた黒い穴。そして、頭全体を覆うような白い兜のような仮面があった。まるで兜のような白い仮面の右側には強大な角が生え、左側の角は根元で切れたような様相を見せている。加えて、仮面は少女の左目にまで達し、左目は存在しないのか、鳩尾に空いた穴と同じようにして
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