公私混同
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カウンターを壊さないでね」
「そうじゃねえだろ!」
悲痛な叫びを上げるコウスケ。
「なあ! ハルト!」
「何?」
「可奈美といい響といいあと友奈といい! 何でオレたちの周りの女子はこうも色気や浮いた話がねえんだよ!」
「ココアちゃんやチノちゃんも無さそうだしね」
「?」
可奈美がはてなマークを浮かべている。
「あれ? 私、コウスケさんの質問に答えたよね? 私、ハルトさんのこと大好きだよ?」
「うん、ありがとう。でもそれはコウスケが望む答えじゃないってことは間違いないね」
「だああああああああっ!」
再びどころか、コウスケは何度もヘッドバッドを繰り返す。
「もっとよぉ! 今時の若者らしく、もうちったあ浮いた話の一つや二つねえのかよ!?」
「俺たちに求められても困るよ」
ハルトは可奈美と顔を見合わせる。
可奈美は何が何だか理解していなさそうな顔でハルトを見返す。
「第一、お前だって響ちゃんとの共同生活長いでしょ? お前だってこそ、響ちゃんとなんかないの? ……そもそもサーヴァントとそういうのっていいのか?」
「バッカ言ってんじゃねえ! 響は確かに色々相棒としてはいいんだけどよ。こういう女って見方をすると……」
コウスケが手で何かを示している。だが、ジェスチャーでは何も伝わらず、ハルトは「何?」と促した。
「響といると、全然女といると思えねえんだよ!」
「可奈美ちゃんもそんなタイプだと思うけど」
ハルトは可奈美へ視線を流す。
「可奈美ちゃんも花より団子派だよね。……そういえば、刀使ってそういう浮いた話ないの?」
「浮いた話……?」
そもそもそういう単語にさえ心当たりがない、という表情をしている可奈美に、ハルトは思わず噴き出した。
そのとき、店の奥から新たな店員が姿を現す。
水色の長髪が特徴の少女。現在ラビットハウスのシフトにいるメンバーの中では最も長らく働いているが、その外見は他の誰よりも幼く見える。
ラビットハウスの看板娘であるチノは、ハルトを見上げながら言った。
「ハルトさん、注文のランチ出来ました。出前をお願いします」
「ああ、了解」
ハルトは頷いてキッチンへ向かう。
厨房に置かれているアルミ製の出前箱。その中にしっかりと保温材と注文のメニューが入っていることを確認し、抱え上げた。
「それじゃ、行ってくる……」
「コウスケさん、響さんはいないんですか?」
出前箱に備えてある紐を伸ばし、肩にかけたところで、そんな会話が聞こえてきた。
ハルトが目線を投げれば、チノがコウスケへ詰め寄っている。
「き、今日は来ねえよ。アイツに会いたいのか?」
「ええ……! とても!」
チノの目がキラ
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