第9章 解散編
第41話 聖夜
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ノリアの街の近くの丘に座ってたよ!!」
「何してたんだろうね!!」
その子どもたちの言葉に、エルザ達が目を見開いて驚く。
「んー、でもいないなら仕方ないねー!クッキーありがとね!!」
子どもたちは、それぞれに礼を言いながらギルドメンバーの前から去っていった。
暫く子どもの言葉に驚きを見せていたメンバーであったが、ミラがいち早く冷静さを取り戻す。
「近くの丘…」
「い、行ってみる…か?」
ミラの言葉に、エルザが小さく呟く。
「い、いや…だが…」
「どうなんだろうな…その…」
グレイとジェラールが悩んだように言葉を発する。
「アレンの気持ちを考えると…」
「う、うーん…」
「悩ましい…」
リサーナとレヴィ、カグラも同じように困った様子を見せる。だが、そんな皆の気持ちとは違ったものが一人いた。
「よし、アレンのとこ行こうぜ!!」
ナツはそう言ってそそくさと聖堂を後にする。ナツの行動に、思わず皆が呆気に取られてしまう。
「ちょ、ちょっとまて!ナツ!少しはアレンの気持ちを…」
「それを考えた上だ!!」
エルザの言葉に、ナツは大声を張り上げる。その声と言葉に、皆は目を大きく見開く。
「仲間が落ち込んでんだ!俺たちが元気づけねーで、誰が元気づけてやるんだよ!」
ナツはニカッと大きく笑って見せる。それを見たグレイがふっと息を漏らす。
「それもそうだな…」
グレイもナツの元へと歩みを進める。
「ちょ、ちょっと…グレイ、正気!?」
そんなグレイの行動に、ウルティアが制止するように声を掛ける。
「もうアレンがギルドに来なくなって6日目だ…そろそろ心配ってのもあるしな」
「だ、だけど…」
グレイの言わんとしていることが分からんでもないウルティアは声を詰まらせる。そんな様子を見かねたジェラールが、ため息をつきながら言葉を発した。
「なら、俺も一緒に行こう。お前たち2人だけでは心配だ。それに…こういう時は同性の方がいいかもしれんしな…」
「ジェラール…」
ジェラールの言葉に、ミラが少しもどかしそうにしている。
「なに、心配いらないさ…無理に引き連れてくるような真似はしない。少し様子を見てくるだけだ」
ジェラールは残ったエルザ、ミラ、カグラ、ウルティア、レヴィ、リサーナに語り掛けるようにしてナツとグレイと共に聖堂から去っていった。
アレンは、6日間の殆どを一人で過ごし、マグノリアの近辺の森や人気のないところで黄昏ていた。24日の夕刻、アレンが一人で考え込むようにして過ごし始めた18日の初日と同じように、マグノリアの街からほど近い丘の上で座り込んでいた。
これまた同じように遠くへと視線を向けながら呆けていたが、後方から身に覚えのある魔力を感じ取り、深くため息をつく。
「まさか…こんな時に来るとはな…」
「随分と
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