第9章 解散編
第41話 聖夜
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、クリスマスツリーが立てられ、それを見届けた周りの住民やメンバーが歓声を上げる。その足元には数多くの装飾が見られ、ツリーに飾り付けられるものであることが伺える。
ビスカ、アルザック、レヴィ、ウェンディ、シャルル、それにソラノとユキノを中心に、少しずつツリーに装飾が施されていく。
「とってもウキウキするね!シャルル!」
「そりゃ、クリスマスイブだもの!」
ウェンディとシャルルがそれぞれに言葉を発すると、サンタのコスプレをしたエルザが、紐を伝いながら聖堂の壁を降りていく様子を見かける。
「ツリーは頼んだぞ!」
エルザはそんな2人に大きく声を掛ける。
「エルザさん!それ、とっても似合ってます!」
「ふふっ、そうだろう?」
「はいっ!」
ウェンディから可愛らしいサンタの衣装を褒められ、エルザはご満悦と言った様子で聖堂前で腰に手を当て仁王立ちする。
「張り切ってるわね!」
「そりゃ、クリスマスイブだもん!」
シャルルの言葉に、ウェンディが笑いながら言い返す。そして、2人は先ほどとは立場が変わった、それでいて同じことを言っていることに可笑しさを覚え、2人で笑いあう。
そんな2人を尻目に、エルザは聖堂を背にマグノリアの街並みを見渡す。至る所の家に装飾が施され、住民もそんな雰囲気に嬉しそうにしている。
それを見たエルザはふっと笑いを漏らすと、後ろから聞きなれた仲間たちの声が聞こえた。
「おう、エルザ。掃除含め、全部終わったぜ!」
「イブだってのに、働くなんて…」
「まあ、でも気持ちいい労働だな」
グレイ、ウルティア、カグラがそれぞれに声を発する。
「よくやったな、これで聖堂の準備に関しては一通り終わったということだな」
「そうなるわね」
エルザの楽しそうな言葉に、ウルティアがふっと笑いかけて返事をする。そんなエルザ達の元に、大量の掃除道具を抱えたナツとジェラールが近づいてくる。
「そっちも無事に終わったみたいだな」
「つっかれたー!」
ジェラールとナツも、持ち場の掃除が終わり、用具を片付けに来たようだ。
「よお、ナツ。なんも壊さなかったか?」
「ああ?壊すわけねえだろ!」
グレイがナツを挑発するような言葉を発したことで、いつもの喧嘩が巻き起こりそうになる。だが、それをエルザとジェラールが止める。
「やめんか!イブに喧嘩など!」
「グレイも余計なことを言うな」
エルザとジェラールに叱られ、2人は「ちぇっ」と悪態を付く。だが、その直後、ナツが気付いたように口を開く。
「そういえば、やっぱアレンはこねーのか…」
ナツのその言葉に、皆は先ほどまでのウキウキした様子を一瞬で鎮め、考え込むような表情を見せる。
「まあ、さすがに…ね」
「今日は…その…」
「両親を失った日…だよな」
ウルティア、カグラ、グレイが言い
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