第9章 解散編
第41話 聖夜
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な様子に、皆が驚きを見せている。
そして、それ以上に、アレンの壮絶な過去の詳細を聞き、引き続き皆は驚いた様子を見せたり、我慢ならないと言った様子で俯いて見せる。
ウェンディやルーシィ、レヴィと言った、比較的涙腺が緩いメンバーは、ポロポロと涙を零していた。
「12月のこの時期は、アレンさんが立て続けに大切なものを失った日…アレンさん自身、普段はあまり考えないようにしている様子ですが…やはり命日が…それに近い自分の誕生日が訪れるこの時期は…毎年のようにああして一人でおられることが多いのです…」
「ですから、ミラさんがアレンさんを怒らせた…などということはありません…ご安心ください」
ヒノエとミノトの言葉に、ミラは表情で反応することができなかった。すでに、ミラの中にアレンを怒らせてしまったかもという感情は存在していなかった。アレンの壮絶な過去…その様子を頭の中で想像し、酷く困惑している様子であった。
「…クリスマスが終わり、12月が終わりを迎える頃には…いつものアレンさんにお戻りになるかと思います。…この時期は、そっとしておいてあげてください」
ヒノエの言葉に、ギルドの酒場は、悲壮感漂う雰囲気となる。
その場にいるもの全員が、ヒノエとミノトの話を唱えるように頭の中で反復する。そして、その場面を、アレンの心情を想像してしまう。
そして、その後一日、その様相が破られることはなかった。
マグノリアの街をでてすぐの場所に、軽く地面が盛り上がったような丘がある。その丘は、周りの地面よりも10m高い程度であったが、マグノリアの街を背にすると、辺り一帯は雄大な自然が広がっている。故に見晴らしはよく、空も陸も遠くまで見渡せるほどであった。
アレンは、そんな丘の頂上に腰かけ、遠くの空を眺めるようにして一つため息をつく。身体に纏わりつく冷たい風が、アレンの心に寂しさと後悔を生む。
「そうか…もう、16年になるのか…」
アレンは誰にいうでもなく、小さく呟く。そして、親友を姉妹を、両親を、彼女を失った時のことを思い出す。何一つとして守れず、間に合わなかったあの時の感情が無意識に思い起こされる。頭の中にドス黒い感情が生まれる。まるで心臓を締め付けられたような感覚を覚える。
「ちくしょう…」
アレンはそう呟き、頭をされて力なく息を漏らした。そんな風にして、時の流れを忘れたかのように、アレンはしゃがみこんだまま考え込んでいた。
時は流れ、12月24日。マグノリアの街は、フェアリーテイルのギルド含め、クリスマス一色となっていた。
街中は綺麗な装飾が施されていた。フェアリーテイルの魔導士の多くは、カルディア大聖堂前に集まり、何やら騒がしそうにしていた。どうやら、聖堂におけるクリスマスの準備を進めている様子であった。
エルフマンの力により、聖堂前に大きな木
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