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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第9章 解散編
第41話 聖夜
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何もしてないわよ…」
エルザの問いにミラは震えた声で答える。
「だったら…なんでアレンはあんなに怒ったような…」
「ミラさんのせいではありません」
ソラノも続いてミラを問い詰めるが、それはあるものの言葉によって遮られる。その言葉に反応するように、先の3人含め、周りの皆がその人物に視線を移す。
「この時期になると、毎年のことです…」
ミノトが、どこか虚空を見つめるようにして言葉を放つ。
「ど、どういうこと?」
自身のせいではないと言葉を掛けられたことで、些少の安心を漏らしたミラであったが、ミノトの言葉の真意がわからず、疑問を投げかける。ミラからの疑問に答えるのを迷うそぶりを見せたミノトは、ヒノエへと視線を移す。
「…姉さま」
「そうね。皆さんも既に承知していることですし…。お話ししてもいいかもしれません」
ミノトからの視線に気づいたヒノエは一つため息をつくと、静かにその口を開いた。
「近いのですよ…アレンさんにとって大切だった方々の…命日が…」
その言葉に、ギルドのないが一気に静まり返る。その言葉が何を指すのか、一瞬で理解してしまったためである。そして、ヒノエの言葉の続きを補うようにして、ミノトが口を開いた。
「今日は12月18日…。アレンさんの誕生日が12月20日なのですが、その二日後…16年前の22日に、アレンさんの実姉と実妹が…亡くなったのです。…モンスター、ドラゴンの手によって…」
ミノトの淡々とした、それでいて苦しそうな言葉に、皆は息を呑むようにして驚きを見せる。だが、この驚きが序章に過ぎなかったことを皆はすぐに知ることになる。
「そして、次の日の23日に『コウタさん』という、アレンさんにとって最も親しかった友人が…、そのまた次の日の24日…、この世界ではクリスマスイブという神聖な日とされていますが、この日にアレンさんは両親を…同じくドラゴンの手によって殺されています…」
ヒノエは、ぐっと目を細めながら、小さく身体を震わせる。余りの衝撃に、皆は目を見開いて固まり、剰え涙を流している者も見て取れた。
「そして…」
ヒノエは更に続けるようにして言葉を漏らす。その様子に思わずカグラが口を開いた。
「ま、まだ…何か…あるのか…」
「ッ…まさか…」
カグラの言葉に被せるようにして、目尻に涙を浮かべたミラが小さく呟く。そう、今の話の中で、ミラ含め、特にアレンに恋心を抱いている女性陣が気になっていた人物が出てきていなかったからだ…。皆、少しずつそれに気づいたように唇を震わせる。
「…当時、アレンさんの恋人であった『カリンさん』という方を、25日に…亡くされております…。息絶えるのを…見届けるように…目の前で…ッ!」
ミノトが、小さく目尻に涙を浮かばせて、しどろもどろと言った様子で言葉を発する。初めて見るミノトの感情的
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