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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第70話 怪盗紳士
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巻と化したわたしは紫の竜巻を打ち破って人馬兵の胴体を斜め一閃に切り裂いた。


「皆さん、離れてください!」


 アーツのチャージを終えたクローゼの声にわたしとエステルは人馬兵から離れた。


「コキュートス!」


 辺り一面に冷気が漂い巨大な氷塊が地面から生えて人馬兵の全身を貫いた。


「とどめ……シャドウブリゲイド!」


 でもまだ油断はできない、完全に破壊するまで攻撃を続けるよ。わたしは7人ほどの分け身を生み出して人馬兵の全身を切り刻んだ。そして7人一斉に手榴弾を投げつけて大きな爆発を炸裂させた。


「奥義・太極輪!」


 追撃でエステルが回転しながら人馬兵に突っ込んでいった。怯ませた後に人馬兵の周りを高速で動き回って闘氣の渦に閉じ込める。そして渾身の一撃を振り下ろして人馬兵を粉々に打ち砕いた。


「はぁ……はぁ……どうよ!」
「ん、いっちょ上がり」


 そこまで苦戦することなく勝てたのはわたし達が強くなったからだね。まあロランス少尉にはまだまだ追いつけていないけど。


「ほぉ……これは驚いた。『彼』の妹である西風の妖精は兎も剣聖の娘はそこまで大したことはないと聞いていたが……フフ、人の言葉などやはり当てにならないか」
「何を余裕ぶってるのよ!次はあんたの番よ!」


 余裕の態度を見せるブルブランにエステルはスタッフを突きつける、でもわたしはブルブランが言った一言が気になりエステルを止めた。


「エステルちょっと待って……今彼の妹って言ったよね?もしかしてお前が相見えたいって言っていたのってリィンの事?」
「如何にも!私がこの計画に参加したもう一つの理由……それは西風の絶剣と呼ばれる君の兄『リィン・クラウゼル』の物語をこの目で見届けるためさ!」
「リィンの物語……?」


 わたしの予想通りこの男のもう一つの目的はリィンだった。でもリィンの物語を見たいってどういう事?


「西風の妖精よ、君は長い年月を西風の絶剣と共に過ごしてきたのだろうが……実はわたしの方が先に彼と出会っていたのだよ!」
「嘘、リィンは最近何も隠さなくなって昔の事も教えてくれた。その中にお前の事なんて一言もなかった」
「当然さ、出会ったとはいえど相まみえたことはない。何故なら……」


 ブルブランはそう言うとまた姿を変えた。その姿はまるで猟兵のような恰好だった。


「猟兵……?もしかして戦場で出会ったって事?」
「残念ながらそれは違う、私がこの姿をしているのはある像を盗むためだったのさ」


 像を盗むために猟兵に変装した……?どういうこと?


「かつてある村に黄金で作られた女神の像が存在した、その像には不思議な力があって魔獣を遠
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