第70話 怪盗紳士
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間、ブルブランは霧のように姿を消してしまった。
「しまった、これは……!」
目の前の存在が本物のブルブランでない事に気が付くが、すでに遅かったらしくわたしの背後に現れたブルブランは燭台によって照らされて生まれたわたし達の影にナイフを突き刺した。
「な、なにこれ……!?」
「動けません……!」
エステルとクローゼも動きを封じられてしまったらしい。
「影縫い……実際に使える人がいるなんて思わなかったよ」
「フフ、私の手にかかればこの程度の事は造作もない」
「油断した、まさかいつの間にか幻影と入れ替わっていたなんて……」
「驚いたかね、この装置は近くなら本物と見分けがつかないほど精巧に投影をすることが出来るのだよ」
だから気が付かなかったのか。
いやいつもなら違和感を感じたはずだ、怒りで頭が真っ赤になってたから気が付かなかったんだ。こんなの猟兵として失格だ。
「ピュイイイッ!」
そこにジークが現れてブルブランに攻撃を仕掛けた。でもブルブランはそれを回避してジークの影にナイフを刺して動きを封じてしまった。
「現れたな、小さきナイト君。君の騎士道には敬意を表すが邪魔はしないでもらおう」
そしてブルブランはクローゼに近づいていく。
「クローディア姫、これで貴女は私の虜だ。どんな気分かね?」
「見くびらないでください。例え体の自由を奪われても心までは貴方に取られたりはしません!」
「フフ!そう!その目だよ!気高く清らかで何物にも屈しない強い決意の眼差し!その輝きは今まで手に入れてきた美しき物達に負けないほどの高貴さを放っている!私はそれが欲しいのだ……!」
ブルブランはそう言ってクローゼに手を伸ばす、このままじゃクローゼが……!
「感謝するぞ、ジーク。そなたのお蔭でその者の気を逸らすことが出来た」
その時だった、誰かの声がしたと思ったら地面を砕くすさまじい衝撃が走った。それによって影に刺さっていたナイフが吹き飛んで体の自由が戻ってきた。
「真・地裂斬!」
再び放たれた地を砕く衝撃波をブルブランは回避する。この技は間違いない、私の大切な親友……
「ラウラ!」
「遅くなってしまってすまない、フィー」
そう、そこにいたのはラウラだった。来てくれたんだね、嬉しいよ……!
「ラウラ!?いつ来てたの!?」
「ラウラさん!ありがとうございます!」
「久しいな、エステル。そして礼は不要です、クローディア姫」
エステルとクローゼも自由になったらしくこっちに駆け寄ってきた。
「油断するとは愚かな!」
ブルブランは再び影にナイ
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