保護
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の仮面を連想させる形をしており、場所も他のマスターたちと同じだった。
「そうだと思うけど……じゃあこっちのは何だろうな?」
真司は、二の腕に至るまでに伸びている令呪を指差した。正六角形が無数に組み合わさったような形のそれ。真っ先に亀の甲羅を思い出した友奈だが、それを口にすることはなかった。
「それとも……あのムーンキャンサーってのが、もしかしてサーヴァントなのかな?」
「ムーンキャンサーが?」
真司は額を睨み上げた。
「あんなのがサーヴァントなのか? そもそも、ムーンキャンサーって何だよ?」
真司が顎をしゃくった。
「あの化け物の名前か? それとも、サーヴァントだってんなら、それがクラスなのか?」
「そうなんじゃないのかな?」
「だって、サーヴァントのクラスって、分かりやすい名前ばっかだったじゃないか?」
真司の指摘に、友奈は思い返す。
今いるサーヴァントと、これまで戦ってきたサーヴァント。
セイバー、ランサー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカー。
セイヴァー、アヴェンジャー、ガンナー、フェイカー、エンジェル。
そして、友奈がまだ出会ったことのないが、その存在だけは連絡を受けたフォーリナー。
真司は続けた。
「上手く言えないけど、そんなに長い名前じゃないじゃんか。クラス名って」
「うーん……カタカナばっかりだから、わたしには違いがよく分からないなあ」
「英語がまるでダメな俺だって分かるぜ? だって、ムーンキャンサーのムーンって月だろ? キャンサーで二単語だぜ?」
「凄い発想だった! わたしには思いつかないよ!」
「へ、へへっ! 俺だって頭いいところあるんだぜ?」
真司は赤面になりながら鼻を擦った。
「何より、サーヴァントって一人までだろ? いくらなんでも、一人が二人のサーヴァントと契約しているなんて……」
真司はそこまで言って、口を閉ざした。
やがて友奈に聞こえないぐらいの小声で、その口を動かす。
「いやまさかそんな、浅倉みたいなこと……」
「……真司さん?」
「あ、悪い。何でもない。結局、詳しいことは今はこの子が目を覚ますまでどうしようもないな」
真司はそう言って、冷蔵庫を開けた。
「うっし。ありあわせの材料で餃子一人前くらいは作れるな」
「ああっ! 真司さんがまた餃子を布教しようとしてる!? 今回は、わたしがうどんをご馳走するよ!」
友奈が真司の前に立ちふさがる。
「大丈夫! 今度はわたしがうどんをご馳走する番だよ!」
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