第8章 冥府の門編
第39話 悲壮
[4/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
グランディーネの言葉に、ウェンディは涙をボロボロと零しながら大声を上げる。
ガジル達も、苦悶の表情を見せながら、アレンをじっと見つめる。
太刀を片手に、グランディーネ達へと近づくアレン。
アレンを止めようとするエルザ、ミラ、カグラ。
そんな3人を制止するヒノエとミノト。
アレンの歩みを止めようと、自身を育ててくれたドラゴンを守ろうとするウェンディ、ガジル、スティング、ローグ。
まるで、今にでも戦いが、フェアリーテイル同士での殺し合いが起こりそうな様子に、フェアリーテイルのメンバー…その中でも、レヴィとルーシィが涙を流しながら口元を手で押さえ、震えた声を発する。
「な、なによ…これ…」
「あ、悪夢でも…見てるの…?」
その言葉を皮切りに、フェアリーテイルのメンバーは更に苦悶の表情を見せる。
自身の大切なものの仇であるドラゴン…それを滅しようとするアレンの気持ちは痛いほどわかる。だが、同時に、自分たちを育ててくれたドラゴンを守ろうとするウェンディ達の気持ちも同じくわかる。そして、アレンに復讐を…アレンとウェンディ達の間に確執を、生みたくないという気持ちをもって歩みを進めるエルザ達の気持ち、更にはアレンが幼少の頃から関わりのあるヒノエとミノトの、アレンを想う気持ちも痛いほど、苦しいほどに分かるのだ。だからこそ、先のレヴィとルーシィの言葉が、深く胸に刺さる。
…歩みを止めたアレンは、ゆっくりを深呼吸を一つ下かと思うと、換装した太刀を前方へと投げ捨てた。
その様相を見て、皆が驚きの表情を見せる。
「アレン…」
太刀を投げ捨てたことで、グランディーネは小さく声を掛ける。
「…がう…」
「え?」
よく聞き取れなかったグランディーネは、アレンへ疑問を投げかける。
「違う…お前らは…俺の…大切なものを…奪ったドラゴンとは…違う…それに…」
「アレン…」
その言葉を聞き、メタリカーナが小さく呟く。それと同時に、アレンの頬から一粒の涙が零れ落ちる。それに気づいたウェンディ、ガジル、スティング、ローグが大きく目を見開く。
「…俺は…お前らの大切なもの…奪えねえよ…」
ウェンディ達に顔を向け、アレンは震える声でそれを呟く。アレンの左目から、ポロポロと涙が零れ落ちる。その様子を見て、ウェンディは更にボロボロと涙を流し、スティング、ローグ、ガジルの目尻にも涙が浮かぶ。
フェアリーテイルのメンバーも、顔を背けたり、地面に座り込むなどして、涙を流していた。
ヒノエとミノトも、目を見開いて驚いている。
グランディーネは、その言葉に酷く困惑していたが、ゆっくりと目を閉じ、口を開いた。
「ありがとう…」
それを皮切りに、スキアドラム達もアレンに言葉を掛ける。
「お前は、仇であるわし等の言葉を信じてくれた」
「一緒に戦ってくれた…」
「
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ