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崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?
ほんへ
始まりの章-世界は終わった、しかし物語はここから始まる-
お姉ちゃんとショタと兄との約束
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きゃいけないことは…」

そうして、彼女の本来の依頼は

「奴は支持者を増やすためにこの街に来るって聞いた。だからね、2人にはなんとかしてあいつを孤立させるようにして欲しいの。」
「孤立…?そしたらどうすんだよ。」
「きまってるじゃん。征の敵討ち。私が殺すの。」

敵討ち。殺しの手伝いだ。


?

3日後。

鈴鹿御前の情報通り、橋本という男はやってきた。

「壊れた日本をリビルドする、明るい未来への第1歩を、みなさん、はしもと哲也、はしもと哲也をどうかよろしくお願い致します。」

拡声器を通し、街ゆく人々にそう呼び掛けながらアピールしている。
朝っぱらからうるせーことこの上ねぇが

で、俺達はと言うと

「どうだおっきー。」
「うん。見張りもいるけどみーんな疲れきってる。うわーブラックだねー。まーちゃんもああはなりたくないでしょ。」
「なりたくねーけどそうじゃねーよ。」

折り紙蝙蝠を通して、奴を監視していた。

「でもマキさんの情報通りだな。」
「うん、そうだね。きっとあの子たちも使い捨てられるんだろうね。なーにが若者達への明るい未来って感じ。自分が楽して暮らしたいだけでしょ。」

マキさんの情報通りとは、実は事前に俺はBARに赴き、やつに関することをマキさんから聞いてきたのだ。
BARは様々な情報が行き来する場所、無論マキさんは知っていた。

橋本哲也、52歳
関西の方で議員をやっていたらしいが汚職とパワハラがバレて政界から身を引く。
しかしこうして世界が崩壊し有耶無耶になった今、どさくさに紛れて議員として再起。
国や国民の暮らしのためじゃない。自分が楽するためだ。

会う者達には自分は熱心な政治家だと語り、惑わし、己の手足にする。
やがて本性を現し、人をパシリにする、女性にはセクハラをするなど当たり前。
ネチネチ小言を言ったり「これだから若いモンは」と文句を垂れる。
反抗したものは刺殺したり寝込みを襲って絞殺したり、あるいは縛ってモンスターの囮に使って殺した。

自分のために若者達が犠牲になったのでは無い。
我欲のために若者達を犠牲に捧げたのだ。

じゃあ逃げればいいのでは?と思うがこんな世界、己の身一つで逃げられるもんか。
嫌な思いしながら死んだように生きるか。
いっそのこと奴から逃げて死んで楽になるか
若いやつはそうやって、ある意味究極の選択を強いられてたんだろう。

とまぁ、マキさんはありとあらゆる情報を網羅してくれていたわけだ。

それと、話は変わるが俺はゲス野郎だ。
なので鈴鹿御前がやつを殺したいと言った時には別に『復讐は何も生まない!!やめるんだ!!』とか偽善だらけの正義マンが言いそうなことは何も言わず、逆に応援した。

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