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崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?
ほんへ
始まりの章-世界は終わった、しかし物語はここから始まる-
奇妙なS/悪徳政治家を追え
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いること。
力がないのをいいことに、八つ当たりするのだ。

それにより将は引っ込み思案であまり話さない性格へと変わり、人の顔色を伺うようになり最初の年相応の明るくて元気な姿はもうどこにもなかった。

これは、もう征も看過することはできないと思ったのだろう。


「橋本さん。お話があります。」

早朝。
若いものは我慢しろと将から取り上げた毛布を剥ぎ取り、眠っている橋本を強引に起こす。

「うん…なんだ?まだ朝早いじゃないか…。」

薄暗い辺りを見回し、寝ぼけ眼を擦りながら橋本は呑気にそうぼやく。
しかしここで、鈴鹿御前は強引に掴んで奴を立ち上がらせた。

「征が起きろっつってんの。さっさと立てよ!!」
「!!」

いつもは征が止める。
だが、今回は止めなかった。

「おいやめろ!!触るな!!おいお前!止めろ!!」
「……」
「離せ!!おい聞いてるのか!?止めさせろ!!」
「止めませんよ。橋本さん。」

征の目が、明らかに怒りの籠った目が橋本を睨みつける。

「な、なんだその目は…!?」
「橋本さん。東京までもう少しです。ここを真っ直ぐ行けば無事につけます。」
「た、確かにそうだが…それがどうした?」

もっと早くこうするべきだったのかもしれない。
征はそう後悔しながら、冷たく言い放った。

「ご同行できるのはここまで。あとはあなた一人で行ってください。」
「は……?」

最初は何を言っているのか理解できなかった。

「あなたの言動はもう看過できない。共に行動はできない。僕達は別ルートを使いますので、あなたは将と鈴鹿に謝ってさっさと行ってください。」
「な、なにを…貴様 」

しかし、脳が段々と言葉の意味を分かってくると、

「はぁ…。」

もう聞き飽きた何度目かのため息をついた。

「なんですか?」
「これだから最近の若いモンは…責任をすぐに投げ出す…。」

そういうと奴はゆらりと征に近付き、

「……」
「……」

胸にトンとぶつかる。
傍から見れば力の無いタックル。
しかし橋本の手には

「……!?」
「征!!」

真っ赤になった果物ナイフが握られていた。

「そん…な、」

糸の切れた人形のように、どさりと倒れる征。
胸は真っ赤に染っており、それはどんどん広がっていく。

「征!!嘘でしょ!?ねぇ征ってば!!」

橋本のことなど気にせず、鈴鹿御前は征に呼びかける。

「あーあ。黙って従ってりゃ…こうならずに済んだのによ。」

次に懐から取りだしたのは、何かの薬瓶。
蓋を開け、1錠のカプセルを取り出すと涙を流し声をかけ続ける鈴鹿御前にゆっくりと近付く。

「さーて、こいつを飲ませりゃ、お前は
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