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崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?
ほんへ
始まりの章-世界は終わった、しかし物語はここから始まる-
奇妙なS/悪徳政治家を追え
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どこか怖いおじさんだなと将は思ったが兄に人を見た目で判断するのは良くないと言われていたので、そういったことは心に閉まっておくことにした。
だけど、そこで言えばよかったかもしれない。
兄がもう少し、用心深ければ良かったかもしれない
そこから彼らの日々は壊れていくのだから。

中年男性は橋本と名乗った。
なんでも関西あたりではわりと有名な議員だったそうでここまでたくさんの部下達と共にやってきたとの事。

しかし部下達はどこにもいない。
部下達は、橋本が必ずこの崩壊した日本を変えてくれると信じ、未来を託し己を犠牲にして逝ったのだという。

そう、
来る途中部下は皆モンスターに立ち向かい、死んだのだ。
この人なら必ずこの日本を変えてくれる。
そういった部下達の思いもあるから、自分は絶対に東京へ辿り着いて議員になり、この日本を変えるのだと、焚き火を囲んでいる時はいつもそう熱弁していた。

「私が議員になった暁にはお前達も東京へ入れてやろう。命の恩人だからな。」
「ええ、ありがとうございます。」
「それとそうだな…お前は特別に秘書にしてやろう。どうだ?」

と、橋本は鈴鹿御前を舐めるような視線で見つめながら言った。

「いや、私は遠慮しておくし。東京に行けば私なんかよりずっと優秀な人いるだろうし。」
「はは、フラレてしまったなぁ。」

将はこの橋本がどうしても苦手だったが、鈴鹿御前もそうであった。
彼と同行して数日、鈴鹿御前はマスターの征に不満をぶちまけたことだってある。

「ねぇ、征。」
「うん?」
「あいつ、追い出さない?」

ある日、食料調達のため釣りをしていた征の隣に座り込み、打ち明ける鈴鹿御前。

「どうしてそんなことを言うんだ?橋本さんは熱心な議員さんじゃないか。」
「いや、視線が嫌っていうかさ…無理だよ。あのスケベオヤジ。」
「…?」

こうやって東京を目指す最中、鈴鹿御前は橋本の視線を何度も感じてきた。
スカートや胸、奴は隙あらばだいたいそこら辺を見ている。
更にそれだけじゃない。

あいつと縁を切り、私と来ないかとすら言われた。
東京につけばお前の好きな物なんだって買ってやると言われ、とどめにこれは前金だと札束を渡されたりもしたのだ。

「あの人が…そんなことを?」
「うん。これ貰ったやつ。」

そうして鈴鹿御前が懐から取り出したのはそこそこの厚みがある札束。
100万、200万、いや、500万はあるだろうか?
数えていないがだいたいそれくらいはあるんじゃないかと思えた。

人のサーヴァントを性的な目で見、さらにはマスターを裏切らせ金で奪おうとする。
控えめに言ってクズである。
それは征でも理解出来た。
しかし、

「いや、でも連れて行くよ
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