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崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?
ほんへ
始まりの章-世界は終わった、しかし物語はここから始まる-
奇妙なS/悪徳政治家を追え
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と将にホテルの部屋を提供して泊め、俺は事務所兼自室へと戻る。

部屋にはタブレット端末をいじるおっきー。
難しい顔のまま固まってるってことはどうやらこっちも進展が無かったみたいだな。

「どうだよ?こっちは手がかりなしだ。」
「姫もだよ。ちょっと遠くに飛ばしてみたけどいるのはモンスターばっかだね。あと判別がわかんなくなった腐乱死体がちらほら。」
「…。」

端末に送られてくる情報を整理しながら、俺を見ずにおっきーはそういった。

「なぁ、おっきー。」

ソファーに腰掛けた彼女のすぐ隣に座り、俺は少し気になったことを彼女へ打ち明ける。

「なぁに?」
「兄貴は実は死んでましたなんていったら、どうなると思う?」
「…ショックは…受けると思うよ。」
「だよ…な。」

おっきーは相変わらず端末をいじり、立て続けに折り紙蝙蝠から送られてくる情報を整理している。
しかし、ここで彼女の指が止まった。

「もういない=Bまーちゃんの中の結論は、そういうこと?」
「…違うっつったら、嘘になる。」

もしかしたら遠くへ行ったかもしれない。
だが、鈴鹿御前の証言では自分のマスターは足となる乗り物は無いし免許も持ってない。
何より、大切な弟とサーヴァントを置いて、1人でどこかへ消えてしまうような人ではない。
と、そう聞いている。

しかし、ここまで来ると『死亡』の二文字がいやでも浮かんでくる。

俺の答えに黙るおっきー。
そしてしばらくの沈黙が流れるが、その静寂を破ったのは意外な人物であった。

「うん…死んでるんだよ。」
「!!」

鈴鹿御前だ。
振り向けばそこには彼女。そしていつの間にか開いているドア。

「あーいや、悪い。ただ死んでるかもって話をしただけであって悪気は」
「ううん、ごめん。嘘ついてた。アンタたちの言う通り…もうとっくに死んでるの。」

深刻な面持ちで、彼女はそう言い放ったのだ。

「おい待て…そりゃどう言うことだよ…!」
「騙すような形になってマジでごめん。ただ…将の前では生きてるってことにしておきたかったの…。」

問い詰めようとソファーから立ち上がろうとするも、おっきーに止められる。
そして鈴鹿御前は申し訳なさそうな顔でそう言い、頭を下げたのだった。

しかし、俺は怒ってるわけじゃない。

「説明…してくれ。あんたが頼みたい依頼は兄貴探しじゃない。だとしたら…なんだ?」

兄貴はもういない、だとしたら、この鈴鹿御前は何かがあって俺達に依頼しに来た。

「いいよ、ここ座って。」
「うん、ありがと…。」

おっきーが鈴鹿御前を来客用のソファーに座らせる
それから鈴鹿御前は少し戸惑いつつも、何かを決心したように頷き、ゆっくりと話し始めた
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