第8章 冥府の門編
第38話 煌黒龍
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アレンを見たウェンディが、一目散に駆け、アレンへ治癒魔法を展開する。
「ッ!む、無茶しすぎです…!」
治癒魔法を展開したことで、アレンの疲労とダメージを感知したウェンディが、涙目で声を掛ける。
「す、すまない…ウェンディ…」
アレンは暫く息を整えるようにしてじっとしていたが、思い出したかのように目を見開く。
「ッ!イ、イグニール達は!!あいつらは無事か!!」
その言葉に、ナツ、ガジル、スティング、ローグが目を見開いて空を見上げる。と同時に、少し離れた位置に何かが撃墜する音が鳴り響く。その音の正体を確かめようと目を凝らすと、それは3体の竜…メタリカーナとスキアドラム、バイスロギアであった。
「メタリカーナ!」「スキアドラム!」「バイスロギア!」
ガジル、ローグ、スティングの叫びを聞き、アレンは避けきれなかったことを理解し、苦悶の表情を浮かべる。あのエスカトンジャッチメントを至近距離でくらったのだ。恐らく、無事ではないだろう…。
そんな風に後悔の念に苛まれている中、急にナツが駆け出す。
そんなナツの行動を不審に思いながらも、アレンは空を眺める。アルバトリオンから距離を取って戦っていたイグニールとアクノロギアは、先ほどの3体の竜ほどのダメージを追っていないのか、未だに戦闘を続けていた。
しかし、両者は互いに攻撃の手を緩めると、咆哮を上げて鎮座する。そして、意を決したように両者は真っ向から突撃するようにして衝撃する。
刹那、アレンは驚愕の表情を見せる。
両者とも、互いの片腕を?ぐことに成功し、その口に加えている。だが、驚きの表情を見せた理由はそれではなかった。
イグニールは腕だけでなく…胴体に大きな大穴を開けていた。それを見たナツは、この世の終わりのような表情を見せる。アレンも、呻き声に似た声を漏らす。他の者も、あまりの衝撃とイグニールの有様に、酷く困惑を見せる。
イグニールは、力尽きたように地面へと堕ちていく。そんなイグニールに止めを刺さんと、アクノロギアは上空からブレスをためていた。
そんな風にして狼狽していたアレンであったが、頭の中に短く声が届く…。
「アレンよ…ナツのこと…頼んだぞ…」
「ッ!イグニール…」
瞬間、アクノロギアのブレスが放たれ、イグニールを飲み込み、地面へと激突させる。マグノリアの街の近辺に落ちたそのブレスは、強大な白い球体を形作り、飲み込んだもの全てを破壊しつくす。
ナツは、その咆哮を、唇を震わせながら見つめ、これ以上にない叫びをあげた。
「イグニーーーールーーーーー!!!!!!!!」
その叫びは、マグノリアの街を、空を駆け巡った。
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