第8章 冥府の門編
第38話 煌黒龍
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と様相を、ただ黙って聞き、じっと見つめていた。
ギルドの地下から地上へとその身を現したマカロフとメイビスは、驚愕の表情を浮かべる。まずは、マグノリアの街を汚染していた魔障粒子の殆どがすでに浄化されていたことであった。街の各所に評議院や王国の兵士と思われる人物がおり、魔障粒子を魔水晶内に封じ込めている様を見る。すでに通常通りに呼吸をしても問題ないと感じたマカロフは、魔力を帯びた手を、口元から引きはがす。
もう一つは、マグノリアの街の上空にあるはずの冥界島が消失していたことだ。しかも、ただ消失しているわけではない。その全てが散り散りの状態でマグノリアの街へと堕ちていた。両者はあまりの惨劇に暫く言葉を失ったが、ギルドの入り口…といっても今はただの瓦礫の山であるが、その右斜め方向に見知った集団が座り込んでいるのが見て取れた。
「ッ!皆!無事か!!」
その声を聴いたその集団は、驚きつつも安心した様子を見せる。
「マスター…!」
「なんとか…無事です…」
エルザとミラが、考え込むような表情を見せてそれに答える。
「一体何があったと…ッ!」
マカロフは、ことの経緯を皆から聞こうとしたが、ある人物が目に映り、言葉を止めた。
「…無事…なのか?アレン…」
「マスター…とりあえず、なんとかな…」
マカロフは、怪訝な口調でアレンに言葉をかける。そして、変わり果てた姿のアレンへと苦しそうに言葉を掛ける。
「…それが虚化というやつか…なんとも言い難い姿に…」
「ちげーわ!!これは俺の本来の力だ!!!」
マカロフの凄まじい勘違いに、アレンは激高して声を荒げる。そんな2人の様子をみて、一人、また一人と小さく笑いを見せる。そんな様子を見たアレンは、小さくため息をつく。
「はぁ…まあ、とりあえず場を和ませたってのはお手柄だぜ…マスター」
自身は全くそんなつもりのなかったマカロフは、苦笑いを浮かべる。そして、今度は見知らぬ竜へとその視線を移す。
「むう…して、お主は…」
マスターが、グランディーネへと視線を移したことで、ウェンディが弁明するかのように声を上げる。
「マ、マスター…これがグランディーネです!私のお母さんです!!」
「…そうか、つまりは、味方というわけじゃな…」
ウェンディの言葉に、マカロフは少し安心したような表情を見せる。グランディーネは特にその会話に反応することなく空を見上げている。
そんな風にして、辺りの状況を見つつ、警戒していた皆であったが、アレンが何かを察したように空を見上げる。
「こ、これは…まさか…」
そのアレンの動揺ぶりに、皆が怪訝な表情を見せる。少し遅れて、ヒノエとミノトも何かに気付き、短い呻き声のような悲鳴をあげる。アレンは大量の冷や汗を流しながら、空に向かって大声を張り上げる。
「メタリカーナ!バイスロギ
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