第8章 冥府の門編
第38話 煌黒龍
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を纏わせる。
「天空竜奥義…照破・天空穿!!」
両翼を大きく振りかぶると同時に、迫りくる隕石の周りに圧倒的な風が纏わりつき、隕石がまるで強大な網に囚われたような様相を見せ、その動きを止める。隕石を止めた暴風は、さらに内部へと侵入し、隕石に無数の亀裂を入れる。そして止めと言わんばかりに、グランディーネは強大な咆哮を浴びせる。
これでもかと圧縮された空気の砲撃は、隕石に纏わりつく暴風を巻き込むようにして衝撃し、まるでみじん切りしたようにして隕石が全方位に爆散する。
一瞬にして強大な隕石が塵と化したことで、フェアリーテイルのメンバーだけでなく、アレンやウルキオラ達も驚愕の表情を見せる。ウェンディとシャルルに至っては、息をするのを忘れてしまうほどの衝撃をうけたと言わんばかりの表情を浮かべる。
「…私は天空竜グランディーネ!!こんな石ころに敗れるほど軟じゃないわ!!」
その言葉に、少し離れた位置で状況を見守っていたアレンは、驚きの表情から、感銘を受けたような表情へと顔つきを変える。
「あれが…そうなのか…」
そんな風にしてアレンが感嘆に浸っていたのとほぼ同じころに、ウェンディも感動に身を震わせながらグランディーネの背中を見つめていた。
「本物の…照破・天空穿ッ…!」
ウェンディの小さな呟きに、フェアリーテイルのメンバーが表立って反応することはなかったが、その言葉を噛みしめるようにして感嘆の意を表していたことは言うまでもない。
魔法の覚醒の第二段階である卍解、それによって発動した妖精の皇帝を有するアレンと、刀剣解放の第二段階を解放したウルキオラは、目にも止まらぬ速さと圧倒的な力で幾度となくぶつかり合っていた。両者が接触するたびに、竜同士の戦いにも引けを取らないほどの波動を生み、マグノリアの街にいる評議院や王国の兵士たちを驚かせる。そんな折、アルバトリオン襲撃により冥界島が撃墜されたことに加え、グランディーネと隕石の衝突もあり、両者が暫く、その剣戟を止める。フェアリーテイルの魔導士とゼレフの近くに鎮座するように立ち尽くしていた。
周辺の状況が落ち着きを取り戻したことで、アレンは再びウルキオラと相まみえようと、両手にもつ剣に力を籠める。それを見たウルキオラは、両手で輪のようなものを形成する。その輪には、緑色の魔力が発生し、一本の槍を形成する。
「雷霞の槍」
「…さっきのフルゴールとはまた違うみたいだな…形成されてる魔力の質が違う…」
アレンは、抜きんでた魔力の圧縮に、苦笑いを浮かべながら口を開く。
「一緒にするな…そして、それ以上近づくな…」
「…なに?」
アレンは怪訝な表情で短く答える。ウルキオラは、ゆっくりと投擲するようにして雷霞の槍を構える。
「…できればこいつを、近くで打ちたくはない」
刹那、
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