第8章 冥府の門編
第37話 三つ巴の戦い
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ゼレフの言葉に、ナツは挑発的な返答をする。
「後から来たものはわからないだろうが…。さっき僕が言った、アレン達はこことは別の世界…遠い異世界から来たという話を覚えているかい?」
「それがなんだ…」
エルザは抑揚をつけずに、ゼレフに言い返す。
「アレンのこの世界での使命は…三天黒龍を倒すこと。そしてその使命を終えたとき、彼は元の世界に帰ることになる…。そうだよね?ヒノエ、ミノト…」
ゼレフの言葉に、皆が驚愕の表情を浮かべる。
「な、何だと…」
「アレンが、ヒノエとミノトが…いなくなる…」
エルザとミラは、酷く困惑した表情を見せる。
「っ!なら、私たちも一緒に行けばいいだけよ!」
ウルティアが思いついたように言葉を放つが、それは悉く否定される。
「言ったろう?世界線が違うと…例えアレン達の元居た世界…星を見つけられたとしても、一体そこまでどうやって行くつもりだい?」
ゼレフの言葉に、皆がお手上げといった様子で黙り込む。だが、ウルはそんな皆を掻き分け、ゼレフに問いかけた。
「解せないわね…。それだけ離れている場所…世界に行けないとして、アレン達はどうやって帰るってんだい?」
ウルの言葉に、皆が気付いたように目を見開く。
「ああ、そうか。そういえばまだ話していなかったね…」
「なにをだ…」
ゼレフはウルの短い問いに、ふっと笑いを漏らす。
「そもそも、アレンやヒノエ、ミノトにウルキオラは一体どうやってこの世界に来たと思う?」
その言葉を聞いて、皆は更に驚いた様子を見せるが、それを超えるような驚きをヒノエとミノトは露にすることになる。
「まさか…あなた…」
「知っているのか…」
ヒノエとミノトの焦りように、フェアリーテイルのメンバーは怪訝な様子で3人を交互に見つめる。
「うん、知ってるよ。アレン達はめが……おっと…どうやらお喋りはこれくらいかな…」
「なんだ!何を言おうとした!!答えろ…ッ!」
エルザは途中で口を閉ざしたゼレフに、激高した様子で答えるが、空に現れた絶望に同じように口を閉ざす。
「なっ…まさか…あいつが…」
「嘘だろ…」
「こんな力…」
「あれは…本当に竜なのか…」
エルザ、ラクサス、カグラ、ウルティアが狼狽した様子で小さく呟く。今までも、強者という者には多く会ってきた。そう、それこそアレンやアクノロギア、今さっきであったウルキオラやイグニールなど、自分の力など遥かに超える存在など上げればきりがない。だが、今あの空に出現したあれは、そのどんな強者とも常軌を逸脱していた。そう、まるで…。
「…黒き光を放つ神の登場だ…さて、いくら3体のドラゴンで立ち向かうとはいえ、倒せるかな…」
黒き光を放つ神…その言葉に、その場にいるものはどこか納得してしまう。そう、これほどまでに感じる畏怖と圧倒的な威圧…
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