第8章 冥府の門編
第37話 三つ巴の戦い
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皆の顔に怒りの表情が浮かぶ。
「仲間面だと…。俺たちは正真正銘、アレンの仲間だ!」
ジェラールが激高したように言い放つ。
「そう思っているところが、腹立たしいんだ…。君たちでは、アレンの力にはなれない…。現にさっきも、アレンが意識を取り戻さなければ、ウルキオラに殺されていただろう」
ゼレフの言葉に、皆は言い返せないのか、苦悶の表情を見せる。
「…あなたはウルキオラの仲間でしょう?なら、あなたはウルキオラがアレンを虚化させることを知っていたはず…」
「そうだね、もちろん知っていたよ」
ミラは、気付いたようにゼレフに言葉を投げかけた。そして、その問いに対して帰ってきた言葉に、酷く怒りを滲ませる。
「アレンにあれほどの苦しみを与えること容認したあなたが、どの面下げて親友と呼べるんだッ!」
ミラは、普段の様子からは想像もつかないような怒号をゼレフにぶつける。その様に皆は目を見開いていたが、ミラの言うことはもっともだと思い、ゼレフを睨みつける。
「それだよ…その言葉こそ、君たちがアレンのことを何も知らないという証拠さ…」
「どういう意味だ…」
ゼレフの呆れたような口調に、エルザが低く唸るように言葉を言い放つ。
「アレンが、虚の力を制御できないと思っているのかい?僕はアレンならきっと使いこなせると思って、ウルキオラの計画に乗ったんだ」
ゼレフの言葉に、エルザは身を震わせて拳を握りしめる。
「…お前のその勝手な思いが…アレンを苦しめた!片目を失わせた!仲間をその手で殺させようとした!」
「キョウカの仕業だね…その点は済まなかったと思っているよ。彼女の残虐性を見抜けなかった僕の責任だ。でも、さっきから言っているように、君たちはアレンの仲間じゃないって言ってるじゃないか…」
「き、貴様…」
エルザは全く話の通じないゼレフに、激高して詰め寄り、更に言葉を投げかけようとしたが、ナツの手が、エルザの歩みを止める。
「ナツッ…」
「もういい、エルザ…。お前の思いは、皆の思いは…こんな奴には届かない…」
ナツはエルザの、皆の気持ちを汲み取りながら言葉を放つ。エルザやカグラ達の目には、小さく涙が溜まっているのが見える。
「…アレンが無事に俺たちのいる時代に帰ってきた。それがもし本当にお前のおかげなんだとしたら…素直に礼を言う…」
「な、なにを言っているんだ…ナツ…」
エルザは、ゼレフに礼を述べるナツに怪訝な表情を浮かべる。
「だが、それだけだ…。これから先のアレンの人生に、お前も、ウルキオラも…必要ねえ!お前らの思考が、存在こそがアレンを苦しめる!!」
ナツはそう言い残すと、その拳に炎を纏わせてゼレフを威嚇する。
「そうか…もう何を言っても理解してはもらえないみたいだね…。だけど、最後に一つだけ…君たちに伝えておくよ…」
「あ…?」
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