暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第二百五十七話 酒の後でその一

[8]前話 [2]次話
               第二百五十七話  酒の後で
 英雄は飲みつつ言った。
「この後だが」
「寝るんじゃないな」
「外に出てだ」
 久志にいつもの無表情な顔と声で話した。
「娼館に行くか」
「お前は相変わらずだな」
「女が好きだ」
「そうだよな」
「城にいる時は大奥に入るがな」 
 そうして女達を抱くがというのだ。
「こうした時はな」
「娼婦を抱くんだな」
「遊女と呼ぶがな」
 東の浮島ではだ。
「そうしている」
「毎日か」
「そうだ、だからだ」
「今夜もか」
「そうしたい」
「じゃあいい店紹介するな、しかしな」
 久志は淡々と言う英雄にやれやれという顔で述べた、呆れてはいるがそれでも受け入れている顔である。
「お前はその顔で女の相手をするんだな」
「顔と女が関係があるのか」
「女好きとか」
「そうだ、あるのか」
「そう言われるとないけれどな」 
 それでもと言うのだった。
「けれど女遊びをする時の顔はな」
「好色そのもののか」
「そんな顔にならないか」
「俺はいつもこの顔だからな」
 無表情であるというのだ。
「そして口調もだ」
「そんな風なんだな」
「それが俺だからな」 
 自分の個性だからだというのだ。
「変わらない」
「そうなんだな」
「そしてだ」
 英雄はさらに話した。
「どんな顔でも女は楽しんでいる」
「毎日だな」
「そう言ってもいい位にな」
「そうか、しかしお前今日かなり飲んでるな」
「それで女遊びはか」
「危なくないか」
 久志は英雄の身体のことを考えて話した。
「それは」
「ここから飲み過ぎたと思うと行かない」
「娼館にはか」
「そうする」
「それじゃあいいけれどな」
「酒と女は敵と言う」
 英雄は自分からこう言った。
「是非会ってみたいと続くが」
「太田蜀山人さんの言葉だったな」
「実は両方会えるものだ」 
 人生ではというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ