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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第8章 冥府の門編
第35話 虚化
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は思うが…お前らに決定権があるとでも思っているのか?」
フェアリーテイルの会話を遮るようにして、ウルキオラが魔力を解放する。それは、圧倒的な力を放ち、その場にいるものを地へとたたきつけるような力へと変化する。
「くっ…」
「なんだ、この魔力は…」
「う、動けない…」
ミラ、カグラ、エルザが地面へとその身を預けながら、顔だけをウルキオラへと向けて怯えたように口を開いた。
「遊びは終わりだ…貴様らが抵抗する意思も持たぬよう、俺の本当の力を見せてやる」
ウルキオラはそう言うと、手に持った斬魄刀をゆっくりと持ち上げて自身の肩の位置まで振り上げる。
「アレンを寄こさなくいい。一人ずつ確実に殺して…最後に連れていく…」
ウルキオラの言葉に、再度苦悶の表情を見せるフェアリーテイルのメンバーであったが、この後に起こった信じられない様相に、驚きのモノへと変わる。
「鎖せ…黒翼大魔(ムルシエラゴ)
刹那、圧倒的な魔力がウルキオラの周りに発生する。その魔力は、黒緑色の様相を見せると、雨のように辺り一面へと広がっていく。
「なんだ…これは…」
「黒い…雨?…」
「いや、違う…」
「一粒、一粒に膨大な魔力を感じる…これは…」
「魔力の雨だ…」
「なんという…」
「ありえない…」
エルザ、ミラ、ウルティア、ラクサス、ジェラール、ミネルバ、カグラがウルキオラのいた場所を見つめながら小さく口を開いた。圧倒的な魔力に身体を振るわせながら、皆がゆっくりと身体を起こし、立ち上がる。エルザは、アレンを背中から降ろし、守るようにして抱きしめる。
次第に魔力の雨はやみ、ウルキオラの全貌が視界に映る。その様相を見て、皆が驚愕の表情を見せる。
「く、黒い…翼…」
「それだけじゃない…服装も、頭の仮面も…変形しているぞ…」
リオン、カナがウルキオラの姿を見ながら言葉を発した。
「動揺するなよ…構えを崩すな…意識を張り巡らせろ…一瞬も気を緩めるな…」
ドスの効いたその声に、ラクサスは身構えるようにしてウルキオラを見つめる。自身の心臓が、これまでにないほどに高鳴る。思考が今までにないほどに掻き乱れる。
身体はウルキオラの動きを察知しようとしているが、脳は『今すぐに逃げろ』と指令を出している。そのチグハグがラクサスの思考をかき乱していたのだ。他の者も皆、同じ気持ちなのか、小鹿のように震える足で、何とか立っている様子であった。
ラクサスは瞬きすらせず、ウルキオラを見つめる。だが、一瞬も目を離さなかったはずであったにも関わらず、視界からウルキオラが掻き消える。
その様相に驚く暇もなく、ラクサスの右腕が弾け飛ぶ。
「は…ッ」
ラクサスは、吐息を漏らすように声を発するが、左足、右足、左腕、胴体、そして、首と次々に弾け飛ぶ。
「ぐああああああああああっっっ!!
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