第122話『晴風』
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」
「え!?」
父さんの能力の名とレベルを聞いて驚く。聞いていた話とあまりに噛み合わないからだ。だって、
「父さんって"風神"って呼ばれるほどの風の使い手じゃないの?!」
「そのあだ名は恥ずかしいからやめてくれ。……でも、昔は確かにそう呼ばれたこともある。レベルだけが能力の強さじゃないんだ」
確かに影丸からは予め「レベルはそれほど高くない」ということは聞いていたが、レベル1は予想外だった。その能力で"風神"と呼ばれるまでに至るなんて、一体何があったのか。
「俺の話は後回しだ。今日ここでお前には、1つ知ってもらいたい話がある」
「話?」
「お前の能力の話だ」
「!!」
急に真剣な顔つきになると、父さんはそう告げてきた。
予知という力が晴登の能力に含まれていたことを最近知り、ちょうど気になっていたところだ。とても興味がある。
「まず前提だが、お前の能力は"晴風"、そうだな?」
「うん……って、え? 何で知ってるの?!」
「何でって、親だから当然だろう? お前が赤ん坊の頃にコネ使って調べさせたんだ」
「えぇ、何それ怖い……」
父親が魔術関係でどんな繋がりを持っているか非常に興味がある一方で、まだ自我も芽生えていない赤子の頃に調べられたというのは少し恐怖を覚える。
というか、その頃から調べて能力ってわかるのか。なら早く教えて欲しかった気もする。
「まぁその話は置いといてだ。俺が言いたいのは、お前の能力は普通じゃなくて"例外"だってことだ」
「例、外……?」
「あぁ。実はお前の能力は"晴風"であって、"晴風"ではない」
「は?」
いきなり何を言い出すんだこの人は。晴登の能力は"晴風"であり、それは昔も今も変わらないのではないのか。
「言い方が悪かったな。"晴風"ってのは見た目上の名前なんだ。だが中身は2つの能力が混在してる」
「2つの能力?」
「あぁ。それが"小風"と"晴読"だ」
勿体ぶることもなくさらりと事実を告げられたので、理解が少し遅れてしまう。"小風"は父さんの能力と同じ名前で、"晴読"は何だろうか。聞いたことがない。
何にせよ、晴登の"晴風"はその2つの能力が合体したものだということだ。だが複数の属性を持つならまだしも、そんなことがありえるのだろうか。
「疑うのも無理はない。この事実は俺と調べてくれた魔術師しか知
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