救出
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へ急接近。
舞い上がる花びらとともに、友奈はドラグセイバーに力を込める。
「勇者斬り!」
体を回転させたと同時に、その刃を走らせた。
それは、ムーンキャンサーの抵抗として繰り出された触手を一瞬のもとに切り捨てる。さらに、ムーンキャンサーの腹……どんどんと浸食されていくアカネの周囲の繭を切り裂いた。繭の中に溜まった液体が、切り裂かれた口から滝のように流れだす。
全ての液体が抜け切り、その体内には、外から見えていた通り、アカネが無数の触手に絡まれていた。
さらに友奈は、ドラグセイバーで触手を切断、落ちてきたアカネの体を受け止めた。
ムーンキャンサーより引きずり出し、残った触手を引きちぎる。ブチブチと音を立てながら、触手は次々と地面に落ちていく。
「大丈夫!?」
友奈の上に倒れ込むアカネ。最後に残った触手を引き剥がし、肩を貸して立ち上がる。
「真司さん! やったよ! もう助け出した!」
「ああ!」
友奈の声に、トレギアと戦い続ける龍騎は頷いた。彼はトレギアを足払いして、トレギアを洞窟の底へ転がしていく。
「何っ!?」
「へへっ! 悪いな、これ以上戦っている暇はないんだ! 友奈ちゃん!」
「うん! アンチ君も!」
友奈はアンチを先に促し、アカネを背負いながら、洞窟から抜け出していく。そのあとに龍騎は、洞窟の入り口に立つ。
「逃がさないよ」
トレギアが龍騎を追跡してきた。
だが、龍騎は丁度トレギアが躍りかかったタイミングで回転蹴りを放つ。それはトレギアの顔面に直撃し、彼を再び洞窟の中に転がり返す。
「よしっ! ドラグレッダー!」
『ストライクベント』
ドラグバイザーの電子音に、ドラグレッダーは呼応する。
装備したドラグクローを引き、その周囲をドラグレッダーが旋回する。
「はああ……だあああっ!」
ドラグクローとドラグレッダー。二つの口から放たれた炎が混じり合い、より大きな炎となる。それは洞窟の入り口を粉砕した。無数の瓦礫が落下し、あっという間に積みあがる。やがてそれは、洞窟の入り口を完全に封鎖した。
「まさか……この私が……」
ムーンキャンサーとともに閉じ込められた。
そんな状況だというのに、トレギアに焦りはなかった。
不意打ちを許してしまったがトレギアの力があれば、こんな岩々など簡単に破壊できる。
その両腕にトレラアルディガイザーを溜めようとするが。
「……ん?」
技の発動プロセス。
両腕を上げたところで、その動きを止めた。
背後のムーンキャンサーより、異様な気配を感じたのだ。
だんだんと、ムーンキャンサーの胎動が大きくなっていく。アカネがいなくなったというのに、その体は早送
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