暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
救出
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
へ急接近。
 舞い上がる花びらとともに、友奈はドラグセイバーに力を込める。

「勇者斬り!」

 体を回転させたと同時に、その刃を走らせた。
 それは、ムーンキャンサーの抵抗として繰り出された触手を一瞬のもとに切り捨てる。さらに、ムーンキャンサーの腹……どんどんと浸食されていくアカネの周囲の繭を切り裂いた。繭の中に溜まった液体が、切り裂かれた口から滝のように流れだす。
 全ての液体が抜け切り、その体内には、外から見えていた通り、アカネが無数の触手に絡まれていた。
 さらに友奈は、ドラグセイバーで触手を切断、落ちてきたアカネの体を受け止めた。
 ムーンキャンサーより引きずり出し、残った触手を引きちぎる。ブチブチと音を立てながら、触手は次々と地面に落ちていく。

「大丈夫!?」

 友奈の上に倒れ込むアカネ。最後に残った触手を引き剥がし、肩を貸して立ち上がる。

「真司さん! やったよ! もう助け出した!」
「ああ!」

 友奈の声に、トレギアと戦い続ける龍騎は頷いた。彼はトレギアを足払いして、トレギアを洞窟の底へ転がしていく。

「何っ!?」
「へへっ! 悪いな、これ以上戦っている暇はないんだ! 友奈ちゃん!」
「うん! アンチ君も!」

 友奈はアンチを先に促し、アカネを背負いながら、洞窟から抜け出していく。そのあとに龍騎は、洞窟の入り口に立つ。

「逃がさないよ」

 トレギアが龍騎を追跡してきた。
 だが、龍騎は丁度トレギアが躍りかかったタイミングで回転蹴りを放つ。それはトレギアの顔面に直撃し、彼を再び洞窟の中に転がり返す。

「よしっ! ドラグレッダー!」
『ストライクベント』

 ドラグバイザーの電子音に、ドラグレッダーは呼応する。
 装備したドラグクローを引き、その周囲をドラグレッダーが旋回する。

「はああ……だあああっ!」

 ドラグクローとドラグレッダー。二つの口から放たれた炎が混じり合い、より大きな炎となる。それは洞窟の入り口を粉砕した。無数の瓦礫が落下し、あっという間に積みあがる。やがてそれは、洞窟の入り口を完全に封鎖した。



「まさか……この私が……」

 ムーンキャンサーとともに閉じ込められた。
 そんな状況だというのに、トレギアに焦りはなかった。
 不意打ちを許してしまったがトレギアの力があれば、こんな岩々など簡単に破壊できる。
 その両腕にトレラアルディガイザーを溜めようとするが。

「……ん?」

 技の発動プロセス。
 両腕を上げたところで、その動きを止めた。
 背後のムーンキャンサーより、異様な気配を感じたのだ。
 だんだんと、ムーンキャンサーの胎動が大きくなっていく。アカネがいなくなったというのに、その体は早送
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ