第8章 冥府の門編
第33話 誘拐
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、改造を施す。まあ、それが成功するかはわからんがな」
改造という言葉に、4人に恐怖が滲みだす。
「や、やめて!!!」
ミラが悲痛の叫びをあげる。他の3人も悔しそうにウルキオラを睨みつける。
「なぜ俺が貴様らゴミの言うことを聞かねばならん」
ウルキオラはそう言って、独房から退出しようとする。
「ま、まって。あんたたちの目的は何なの!あんたも冥府の門の一員なの!?」
そんなウルキオラを制止するように、ルーシィが口を開く。
「勘違いするな。俺は冥府の門ではない。そして、俺の目的をお前らに話すつもりはない。ただ…」
ウルキオラはルーシィの質問に答えようとはしなかったが、語尾に何かを含ませるようにして言葉を詰まらせる。
「…人間の分際で俺と同等の力を持つものに興味を持っただけだ…そんな男を俺と同じ虚にしたら、どれほどのものか…そう思っただけだ」
ウルキオラの口から発せられた『虚』という聞きなれない言葉に、4人は疑問の表情を浮かべる。そんな4人を尻目に、ウルキオラは再度退出しようと歩みを始める。ジュビアの「ま、まちなさい…」という言葉と共に、一人の女が入室してくる。
「あら、こんなところにいらしたんですか、ウルキオラ様」
「俺がどこにいようと、貴様には関係のないことだ」
その女が発した『ウルキオラ』という言葉に、この男の名前を知った4人は、脳裏に焼き付けるようにして名前を刻み込む。
「それで?拷問は終わったのか?」
「ええ、もう死にかけだ。あとはあなた様が虚の力をアレンへと流し込み、虚へと改造するだけです」
「そうか…」
ウルキオラはそう言い残し、独房を後にした。2人の会話を聞き、4人は怒りで震えながら女を睨みつける。
「そんなに此方を刺激するな…」
「あんたが…アレンを…」
ミラの怒りのままに声を発した。そんなミラの姿を見て、キョウカはふっと笑いかける。
「そうか、うぬはアレンを好いておるのか…なら、いいものをやろう…」
キョウカはそう言って、4人が膝まづく床に何かをピチャッと投げつける。
「こ、これ…は…ッ!」
「ひっ…」
ミラとウェンディが、悲鳴を滲ませた声を発する。
「アレンの右目じゃ…抉り取ってやったよ…」
床に落ちるアレンの目玉、そしてキョウカの言葉に、4人は怒りの呻きをあげながら目に涙を浮かべる。
「なんて…ことを…」
「外道…ッ!」
ジュビア、ルーシィがポロポロと涙を流しながらキョウカを睨みつける。ミラとウェンディは、半分放心状態といった様子であった。
「ふふっ…その程度で外道と言われては、これ以上は話しずらいではないか…」
キョウカは面白おかしく言葉を発する。
「どういう…意味…」
ミラが低く唸るようにしてキョウカに尋ねる。
「ふむ…わらわの魔法は、人のあらゆる感覚を強化する魔法で
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