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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第8章 冥府の門編
第33話 誘拐
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更なる衝撃が酒場を支配した。

マグノリアの住民から、アレン達が攫われたことを知ったフェアリーテイルのメンバーは、焦りを見せていた。アレンと共に行動していたシャルルがギルドに帰ってきたことで、多少の落ち着きを取り戻し、シャルルが事情を説明する。アレン達が攫われたこと、相手は冥府の門であること、自分だけが不要と解放されたこと、マグノリアに10個の魔障粒子が封じ込められた魔水晶が設置されたこと、マグノリアの街を人質に取られていたため、アレンが抵抗できなかったこと、アレンの申し出により、ミラ、ジュビア、ルーシィ、ウェンディの4人には一切手出ししないことを約束したこと、そのどれもがフェアリーテイルのメンバ尾を驚かし、怒りを生み出したことは言うまでもない。特に、アレンに特別に思いを寄せる女性陣の怒りは見てわかるほどに露であり、フェアリーテイルは混乱の一途をたどった。
フェアリーテイルの酒場が混迷の一途をたどっている中、マスターであるマカロフが、皆を落ち着けようと声を張り上げる。
「静まれーッ!ガキども!!」
マカロフの言葉に、皆がピタッと動きを止め、静寂を生む。
「まずは魔障粒子の封じられた魔水晶を見つけ出すんじゃっ!」
「じいさん!それもそうだが、アレン達も助けねーと!!」
「姉ちゃんがあぶねえ!!」
マカロフの言葉に、グレイとエルフマンが異議を唱えるように声を上げる。
「だが、冥府の門など、どこに居城を構えているのかすらわからんぞ!」
「一体どうすれば…」
それに対し、エルザとカグラが制するように口を開く。
「できることからやるしかない!とりあえず、エルザとカグラ、ナツにグレイはアレン達が連れ去られた場所へ行って、何か手掛かりがないか探れ!レヴィとカナはわしと共に冥府の門について調べる。残りは魔障粒子の魔水晶を探し出してここまでもってくるんじゃ!」
マカロフの言葉に、フェアリーテイルは慌ただしく行動を開始した。

空中要塞【冥界島】。ここは、バラム同盟三大闇ギルドの一つ、冥府の門アジト。
その廊下を、真っ白な衣装を着た、一人の男が歩いていた。左の腰に一本の刀を差し、頭には奇妙な形の白い兜のようなものを被っている。その白い男は、一つの部屋の前に着くと、静かに扉を開く。
その男が部屋に入ると、それに気づいた8人の人物が頭を垂れて迎え入れる。そんな様子を横目に、男は歩みを進ませながら言葉を発した。
「進捗は?」
「滞りなく、進んでおります」
男の言葉に、この中で一番人間らしい見た目をしているマルドギールという男が丁寧な口調で答える。
「ほう?奴を捕えられたのか、存外無能ではないらしいな」
「あなた様の命とあらば、われら九鬼門、どのようなことでも遂行いたします」
マルドギールの言葉を気にも留めず、男は一つの椅子に腰かける。

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