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おっちょこちょいのかよちゃん
224 串刺しの吸血鬼、ヴラド3世
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 紂王の屋敷。りえは用意されていた部屋でおとなしくしていた。何しろ杯は奪われており、今いる自分専用の部屋からは自力で出る事はできず、何もできない。りえはそこで藤木の嫁になるしか選択肢がない状態なのだ。
(でも、藤木君はここに連れ去られたはずなのに戻りたがっていないのは・・・?)
 りえは思い出す。冬に清水を訪れ、かよ子達と再会した時を。その時かよ子からは藤木はふとした行動から皆から嫌われてしまったと聞いた。それが理由となると辻褄が合うかもしれない。
(藤木君に会ったら聞いてみようっ・・・!)
 りえはそう思い、藤木と再び接触できる機会を渇望するのであった。

 目的地へと向かうレーニン、そして杉山はトランシーバーで報告を受ける。
「こちらレーニン」
『こちら奥平純三。今杖の所有者の付近に近づいています。ヴラド3世と同行で狙います』
「そうか。あの小娘も連戦で疲労している筈だ。疲れた所を狙え」
『はい』
 通信が切れた。
「しつこく山田達を狙ってんのか」
 杉山が聞く。
「そうだ。杖の所有者も疲弊すればおっちょこちょいしやすくなるであろう」
 レーニンは杉山と会話しながら進む。

 午後の休みから1時間程してかよ子達は羽根で次の場所へと向かう。
(敵の所にいるからかな、容赦なく人が襲ってくるよ・・・)
 かよ子はこの日だけでも多くの敵が襲って来ている為、疲れが蓄積していた。その為、時折休みをとったりしているのだが、その度にすぐに襲撃しているので休んでは戦う、の繰り返しだった。
「なんか、すぐに来そうで落ち着かないな・・・」
「かよちゃん、大丈夫だ。おじさん達も頑張って守るよ」
 椎名がおっちょこちょいの少女を励ます。
「はい、ありがとうございます!」
「皆、次の敵来てるよ!」
 関根が警戒した。
「よし、戦闘態勢だ!」
 大野が待ち構える。かよ子達も迎撃の姿勢に入った。関根が刀を振るう。直線状に地面に爆発を起こした。
「危ねえ事しやがってよお・・・」
 遠くにいる男はそう言って手榴弾を投げた。
「手榴弾だ!羽根の中に入れ!!」
 皆は羽根の中に戻った。結界で手榴弾を防御した。
「やるじゃねえか」
「それならこれはどうかな?」
 もう一人の男が長い槍を飛ばす。その長い槍も結界で防いだ。
「何度やっても無駄じゃ、ハハハハハ!!」
 友蔵は大笑いした。
「そうだね。バカだね〜」
 まる子も嘲笑する。
「なら、これはどうだ?」
 男が近づいて来た。
「あれは・・・、赤軍の奥平純三!!」
「わ、私もあの人知ってる・・・!!」
 かよ子も奥平の顔は知っていた。七夕の日の夜、杖を狙う為に清水の街を大雨にして襲撃しに来た男だった。
「久しぶりだな。杖の持ち主・・・!!」
 奥平は銃を幾度
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