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レーヴァティン
第二百五十六話 宴を楽しみつつその十

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「織田信長公も酒は飲めなかったしな」
「ああ、あの人実はな」
「どうも体質的にな」 
 この問題でというのだ。
「酒は飲めなかったらしい」
「ほんの少し飲んで潰れたらしいな」
 そう史書にある、このことは知らない者は案外知らない。
「酒乱そうでな」
「大酒飲みの様でな」
「そんなイメージでもな」
「その実はな」
 信長はというのだ。
「それで甘いものが好きだった」
「そうだよな」
「そしてそれならだ」
 酒が飲めないならというのだ。
「お茶なりジュースなりをな」
「飲んだらいいな」
「そうすればそちらでもだ」
「学べるな」
「人や世の中をな」
「一人で飲んでもな」
 久志はその場合についても話した。
「これが結構な」
「学べるからな」
「だからだよな」
「愚かな思想家の本を読む時間がありだ」
「買う金があったらな」
「酒か茶でも飲んでだ」
 そちらに向ける時間や金を使ってというのだ。
「楽しむ方がいい」
「そして人生を学んだ方がな」
「いい」
 英雄はまた話した。
「本当にな」
「全くだよな」
「その内容が問題だ」
 本というものはというのだ。
「どれだけ権威があってもただ文章がわかりにくくだ」
「中身がないならな」
「同じだ、そしてそんな文章はな」
「最初から読む価値がないな」
「真に真実は明快だ」 
 英雄も言うことだった。
「実に簡単にだ」
「わかりやすいな」
「少なくともある程度の教養があるとな」
 その条件が備わっていればというのだ。
「理解出来る」
「そうだよな」
「現に小林秀雄はわかりやすい」
 この思想家の文章はというのだ、中原中也を見出し恋愛で揉めたことがあり田川水泡の義理の兄だったことでも有名である。
「ある程度の教養が必要でもな」
「読むにはな」
「高校生では無理だ」
 十代の教養ではというのだ。
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