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Fate/WizarDragonknight
捕らわれのマスター
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な人じゃないの!?」
「おいおい……私にとっての大切な人というのは……」

 そこまで言って、トレギアは沈黙を選んだ。
 その流れの中断に、友奈は一瞬目が点になる。
 トレギアは首を振り、再びトレラケイルボスを放つ。
 友奈はジャンプして蒼い雷撃を避ける。
 低い天井、その岩壁に張り付いた友奈は、そのまま直下のトレギアへかかと落とし。

「だあっ!」

 だが、トレギアは手を振り、友奈の反撃を弾き飛ばす。

「ぐっ……!」

 さらに、トレギアのうねるような雷の動きに、友奈は地面に投げ出されてしまった。
 やはり友奈とトレギアの相性は最悪。
 それを証明するかのように、一日に二度、トレギアに敗れてしまった。

「おいおい……無駄なことなのに、よくやるよね君も……」

 さらに、トレギアもまた攻撃の手を緩めることはない。
 鞭のように伸びていくトレラケイルボス。反撃しようとする友奈の手足を次々と封じ、だんだんと友奈を追い詰めていく。

「っ! こうなったら、満開でっ……!」

 友奈は、弾かれながらも、その右腕を盗み見る。
 桃色の光が溜まりかけているが、まだ足りない。
大急ぎで 二人を相手に、だんだんじり貧になっていく。その時。
 吠える唸り声。
 赤い龍、ドラグレッダーが狭い洞窟内の中にその姿を現した。
 友奈とアンチを守るようにその体を盾とし、二人の体を包む。
 トレギアのトレラケイルボスは、その赤い体に阻まれ、友奈たちに届くことはなかった。
 そして。

「友奈ちゃん!」

 ドラグレッダーがいるならば、彼がいるのもまた同義。
 城戸真司が、息を切らしながら洞窟の中に飛び込んできていた。

「大丈夫か!? それに、その子さっきの……」
「うん……真司さん、前!」

 引き攣った顔で、友奈は前を指差した。
 真司へその爪で襲い掛かって来るトレギア。
 真司は慌ててドラグセイバーを手に、トレギアの攻撃をいなしていく。
 そのまま蹴りでトレギアの腕を弾いた真司は、「だああああっ!」とドラグセイバーでその体を切り裂いた。

「真司さん!」

 トレギアをムーンキャンサーのところまで離して、真司は友奈に手を差し伸べる。

「ほら、まだ立てるか?」
「うん。ありがとう」

 友奈は真司の手を握り返す。

「ライダー……」

 真司の姿に、友奈とトレギアは真逆の反応を示す。

「友奈ちゃん、大丈夫か?」
「うん!」

 真司に助け起こされた友奈は、フラフラとしながらも体勢を保つ。
 真司は頷いて、トレギアを睨む。

「トレギア……!」
「へえ……ライダー、ゴーヤベックを倒してきたんだ」

 トレギアは真司の姿を見て舌を巻く。

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