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レーヴァティン
第二百五十六話 宴を楽しみつつその六

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「文字通りのね」
「時間の無駄ね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「お酒飲んでも美味しいものを飲んで食べるのもね」
「それは何でもないか」
「味を知ってそしてね」
「お酒に酔うのも」
「人生よ、それになるから」
 人生の勉強にというのだ。
「まだね」
「そうした人の本読むなら」
「漫画読んでね」
 そうしてというのだ。
「お酒飲むことよ」
「その方がずっといいのね」
「そんな奴の本は読んでもただの文字の羅列で」
 それに過ぎないというのだ。
「意味あることはよ」
「ないわね」
「そうでしょ」
 こう言うのだった。
「それこそ」
「本当にね」
「あれぜよ」
 当季はスパゲティを食べつつ右目を瞑って話した、右手にフォークがあるがその使い方は元の世界のそれと同じだ。
「馬鹿の本は読まんことぜよ」
「そうでありますな」
 峰夫は生ハムを食べつつ頷いた。
「思想家といっても」
「思想家と言ってもそれぞれぜよ」
「愚かでもありますな」
「何か間違ってぜよ」
 そのうえでというのだ。
「偉大な思想家だの言われてぜよ」
「そのうえで、でありますね」
「そしてぜよ」
「持て囃されて」
「しかしその実は」
 当季はワインを飲んでからまた話した、飲んでいるのは赤ワインである。
「何もないぜよ」
「そうであります」
「小難しい言葉の羅列で」
「何を言っているのかわからないでありますな」
「あれぜよ、漢字や片仮名を使えば」 
 それでというのだ。
「一見難しくてぜよ」
「何か凄いことが書いている様に見えるであります」
「もうそれだけでぜよ」
 まさにというのだ。
「何か凄いことを言っている様に思えるぜよ」
「言葉の錯覚でござるな」
「そしてその何を言っているかわからない文章を読んでのう」
 当季はイカ墨のスパゲティの中の烏賊を食べつつ話した、他にはトマトや大蒜もその中にあっていい味を出している。
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