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レーヴァティン
第二百五十六話 宴を楽しみつつその四

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「こんなの言ってたかなんてね」
 その様にというのだ。
「あたし思ったけれど言われてみるとね」
「その通りっちゃな」
「インクじゃなくて墨じゃねえかってな」
「日本人だからっちゃな」
「そうも思ったけどな」
「イカ墨だけにっちゃな」
 愛実も赤ワインを飲んだ、見れば彼女が食べているのは今はピザだ。トマトとベーコンのそれを食べつつ言うのだった。
「そう思ったっちゃな」
「そうだったんだよ」
 まさにと言うのだった。
「本当に」
「それは私もっちゃ」
「あの漫画読んで思ったね」
「そうだったっちゃ」
 まさにというのだ。
「本当に」
「そうなんだな」
「しかしその後の食べるシーンでっちゃ」
 そこでというのだ。
「美味しいと思ってっちゃ」
「あのシーン面白いよな」
「それでその通りとも思ったっちゃ」 
 こうも言うのだった。
「だからっちゃ」
「余計に好きになったんだな」
「そうっちゃよ」
「漫画もそう考えるといいよな」
「下手な思想書よりもっちゃ」
 愛実は桜子に話した。
「漫画は素晴らしいっちゃ」
「そうだよな」
「日本は思想家は駄目駄目っちゃ」
「駄目過ぎるよな」
 桜子もそれはと答えた。
「カルト教団の教祖を最も浄土に近いと言ってもな」
「褒め称えられるっちゃ」
「食いものに女に金にな」
「権力にっちゃな」
「そういうの塗れでもな」
 それでもというのだ。
「偉大とか言ってな」
「それでもっちゃな」
「戦後最大の思想家とか言われるからな」
「そんなこと言う奴は馬鹿だっちゃ」
 戦後最大の思想家どころかというのだ。
「そしてそんな馬鹿の本はっちゃ」
「読んでも無駄だよ」
「そうっちゃな」
「それよりも漫画だよ」
「漫画を読む方がいいっちゃ」
「遥かにな」
「というかね」  
 留奈もイカ墨のスパゲティを食べつつ話した、口の周りが黒くなっているのは他の面々と同じである。
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