六十二 ある忍びの生き様
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キヌタとキン・ツチ。
ふたりの顔が走馬灯の如く、ザクの頭に浮かぶ。
事実、それは走馬灯だった。
己の身体が膨張してゆくのがわかる。
サスケ目掛け、ザクは声の限りに叫んだ。
「生きろ──うちはサスケ!!」
刹那、真っ赤な光が空中で湧き上がるのを、サスケは見た。
何百何千もの小さな粒子が青空に真っ赤な噴水を湧き上げる。
いや、それは肉片だった。
ザクを構築していた身体そのものだった。
至近距離の暴発の衝撃を受け、蛸足が二本ほど、青く澄んだ空を舞う。
呆然と仰ぐサスケの目の前で、寸前まで生きていたザクが破裂した。
腕も顔も頭も足も、何もかもが細かい肉片となって飛び散ってゆく。
サスケの全身に血の雨が降る。
噴水を浴びたサスケの顔が真っ赤に染まった。
棘のある物言いで、自信家で好戦的。
サスケを目の仇にして、相手を見下す発言が多かった。
けれど。
逃げたはずの男が、立ち去ったはずの男が、サスケとアマルの命を救った。
それは間違いなかった。
ザク・アブミ。
彼の存在意義は───大蛇丸の期待に応えること。
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