六十二 ある忍びの生き様
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目だ。ウィィィィィ!!」
気合の雄叫びをあげたかと思うと、天を指差すその指先から、ポコポコ…と赤い衣がキラービーの身体を包んでゆく。
八尾のチャクラを身に纏わせ、尾獣化したキラービーの変化に、サスケは眼を瞬かせた。
直後、目の前にキラービーが一瞬で迫りくる。
身の危険を思考するより前に、己の特殊な瞳が反射的に相手の動きを見切った。
(ほう…?コレをかわしたのはブラザー以来だ)
写輪眼で上手く攻撃を避けたサスケに、キラービーは内心感心する。
が、そのままサスケのほうではなく、別方向へ勢いよく飛んでゆく。
キラービーの行き先を即座に察して、サスケは慌てて、キラービーの後を追い駆けた。
「くそ…ッ、そっちに…!」
岩の壁を蹴る。
医療忍者であるアマル狙いだと悟ったサスケは、すぐさまキラービーの背中を追った。
すると突然、身体を反転させたキラービーが「かかったな、バカヤローコノヤロー♪」とニヤッと口角を吊り上げる。
「【雷犂熱刀(ラリアット)】おぉ!!」
「……ッ」
サスケの胸に直撃する。
アマルを狙うふりをして本命であるサスケへ、キラービーは太い腕を叩きつけた。
思いっきり薙ぎ倒されたサスケが勢いよく吹っ飛ぶ。
凄まじい衝撃がサスケの胸の皮膚を抉った。
「ウィィィィィ!!」
勝利の雄叫びをあげるキラービーをよそに、アマルがサスケへ駆け寄る。
その顔がサッと青褪めた。
辛うじて生きているサスケの容態を診て、血の気が引いた顔で眼を伏せる。
(これは…もう…)
「お前らには幻滅♪そしてお前ら壊滅♪人柱力である俺様の本当の姿──」
窮地に追い込まれたサスケとアマルを、キラービーは更なる絶望へと突き落とす。
「──ソレは怪物♪それを見物♪冥土の土産に拝ませてやるぜ、Yeah!!」
巨体がその場を蹂躙する。澄み渡る青空を覆うほどに、八本の尾が天へと伸びた。
巨躯の重さに耐え切れず、岩場が崩れる。水飛沫が高く上がった。
雲雷峡の修行場の周囲を取り囲む海。
押し寄せる波とその巨大な姿に、アマルの身体が自然と後退した。
へたり込む。
彼女はサスケに対して仲間意識も何等かの想いも、何も抱いていない。
ただ、大蛇丸がいなくなった今、目的である『神サマ』を捜す手掛かりを、アマルはサスケに見出していた。
だからサスケを死なすわけにはいかない。
(──此処にいたら、死ぬ)
けれど己の命とは引き換えにできない。
それは彼女の望むモノではない。
自分の命を救ってくれた『神サマ』と会う。
その夢を叶える為には、此処で死ねない。
こんな、と
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