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SO MAD
第二章

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「駄目でね、強いお酒沢山用意してるから」
「飲んで忘れろって言うのね」
「そうよ、とことん飲んで忘れなさい」
「その時は」
「その足で来なさい、それでずっとそんな辛い気持ちでいるよりも」
 今の様にというのだ。
「そのがいいわ、だからね」
「告白ね」
「もう当たって砕けろで」
「駄目でもいいって気持ちで」
「その後で私のお部屋に来たいのなら来てね」
「そこまで言うなら」 
 彼女のその言葉が背中を押してくれた、それでだった。
 私はあの人に思い切って告白することにした、次の日仕事時間が終わった時に何とか勇気を振り絞って声をかけて。
 会社の近くの喫茶店で二人きりになった時に告白した、その後で私は彼女に部屋でウイスキーをストレートで飲みながら言った。
「婚約者が地元にいるらしいから」
「そうなの」
「来年会社辞めて地元で家業継いでね」
 実際にそう言われた、喫茶店で。
「結婚するらしいから」
「駄目だったのね」
「悪いけれどって言われたわ」
「そうなのね」
「それなら仕方ないわ、穏やかに優しく言われたし」
「いい人だったのね」
「そのことも好きになった理由だから」
 だからこそ告白した、顔立ちやルックス以上にそれが好きだったから。
「思っていた通りでよかったわ」
「そうなのね」
「それでね」 
 私はさらに言った。
「今日はね」
「ええ、飲むのね」
「そうするわ、明日は会社休みだし」
「私もよ」
 金曜だ、幸いに。それで彼女も私に言ってきた。
「付き合うわ、今日はとことん飲みましょう」
「そうしてくれるの」
「ええ、それで忘れましょう」
「それじゃあね」
「明日の朝は二日酔いになるけれど」
「もう覚悟して飲むのね」
「今日はおかしかった最後の日にして」
「明日からは戻ればいいわね、じゃあもう飲んで忘れるわ」 
 振られて辛い、それで仕方ないけれどだ。
「今日は」
「ええ、朝そうだったらお風呂に入ってね」
「それで二日酔いも解消して」
「忘れるのよ、いいわね」
「そうさせてもらうわ」 
 言葉に甘えてだ、こう言ってだった。
 私はこの夜友人と徹底的に飲んだ、ウイスキーのボトルを普段は半分がやっとなのに二本空けてだった。
 翌朝二日酔いでも彼女の言った通りにお風呂に入ってすっきりした。その時には私は戻っていた。それで朝彼女と一緒にご飯を食べた時にまたねと笑顔で言えた。そして家に帰ってゲームをして静かな休日を過ごした。


SO MAD   完


                   2022・1・30
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